ドイツで自転車に乗るときの心得−知らないと罰金も!

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自転車に乗れないという人を除けば自転車は日本から来たばかりでも免許ナシでも乗れるし、平坦な道が多いところならドイツで自転車に乗ってみたくなる人も多いのではないでしょうか。

日本でも歩道を走る自転車のルールが変わったなどと耳にしましたが、ドイツの自転車はしっかり交通ルールを守って乗らないと罰金も取られますから一応のルールは知ってから乗ったほうがよいですよ。

暗くなったらライトを前と後ろに点灯

ドイツでは、夜間は前に白いライト、後ろに赤いライトを取り付けて自転車に乗らないと警察に出会ってしまったらしっかり罰金を取られます。自転車に備え付けのライトも必ず前と後ろについています。

冬は日の出も遅く、日没も早いですし、ドイツは街全体の街灯が暗めですからしっかり明るいライトをつけないと見えにくくてほんとうに危険です。車や他の自転車や歩行者にしっかり見えるようにライトは必須です。LEDで自転車に取り付けられるタイプのものも手ごろな価格でたくさん売られています。

ライト以外にも自転車乗りの人たちは、リュックサックやジャケットなどにも反射材をふんだんにつかったものを身に着けている人が多いです。

自転車が走っていい場所、悪い場所

基本は車道、自転車道がある場合は自転車道

街によって自転車道の環境はいろいろだと思いますが、自転車に乗っている人が沢山いるはずなのでまずは他の自転車の真似をして走ればよいでしょう。

まずはここは日本と違う、ということを肝に銘じましょう。特に日本の都会で自転車を乗り回していた方は要注意です。ドイツには自転車で走っていいところと、ダメなところがあるのでそこはしっかり気をつけます。

大人は車道、子供は歩道

車と同じで大人の自転車は車道を右側走行が基本です。歩道は小学校4年生ぐらいまでの子供はよいのですが、大人がゆっくりでも歩道を走るのは基本的にダメ。通行人に叱られますし、警察に見つかったらこれも罰金だと思います。身長が年齢よりかなり大きかったウチの子は1年生ぐらいから通行人に車道を走れと何度も叱られて、わたしは何度「この子は○歳です。車道を走れっていうんですか!?」と言ったことか。

ドイツ連邦道路(Bundesstraße)と自転車道

アウトバーンは実質自転車では入れないので間違えて入ってしまう人はいないと思いますが、ドイツ連邦道路(Bundesstraße)のような大きな道路で走っている自転車の人はたまにいます。普通はプロっぽい装備の自転車です。今まででいちばん怖かったのは子供乗せタンデム自転車で涼しい顔で州道を走ってました。ドイツ連邦道路(Bundesstraße)は一応自転車で走ってもよいのですが、専用の道路が道路脇か別ルートで作られていることが多く、その場合はそちらを走らないといけない決まりです。

歩行者ゾーンでは自転車は降りて押す

気をつけないといけないのが、歩行者ゾーン。街の中心部の歩行者ゾーンでは自転車に乗ってゆっくり走っていても交通違反で罰金を取られます。住宅街の道路も歩行者ゾーンの標識が立っていることがありますが、標識の種類によっては速度を落として自転車で通っても大丈夫です。

左の標識なら速度を落としたら自転車でも通れます。右は歩行者のみなので自転車を降りて押します。

自転車道でも交通ルールを守りましょう

自転車道は信号があるところがあります。信号はきちんと守りましょう。街中では歩行者が飛び出してくることもあるので、自転車道といえども車並みに気を使います。自転車道は一方通行のところが多いのですが、たまに逆走する人がいます。とても危険ですし、見つかったらこれも罰金のはずです。

ドイツの自転車専用道

ドイツ人は交通ルールをきちんと守る人が多いので、守らない人をとても嫌がります。自転車だからといって許してくれません。自転車を降りて押さなければいけない場所で乗ったいると、文句を言われたり怒鳴られたりします。

とはいえ、自転車道をお上りさんっぽい若者集団がのんびりと歩いていたりします。まわりのドイツ人もやっているならちょっとぐらいいいかなと思うのですが、見た目がアジア人で目立つ(国籍や個人は他人だとほぼ認識されない)ので見た目西洋人より叱られやすかったりもします。

小さな子供と一緒に自転車で走る場合は

大人の自転車は歩道を走ってはいけないことになっていますが、まだ小学校で自転車の乗り方講習を受けていない子供は歩道を走ることが認められています。

親が幼稚園や小学校1年生ぐらいの小さな子供と一緒に自転車で走る場合は、親は車道、子供は歩道を走らせます。子供の体格がよくなってくると、歩道を走っていると睨んだり不愉快な顔をする人が時々いますが、交通ルールを習っていない小さな子供に車道を走らせるのは危険です。

歩道では逆に通行人にぶつかって怪我をさせないように、スピードの出しすぎやわき見運転に気をつけてやらないといけません。わたしは事故が怖くて自転車で親子で外出するのは近所ぐらいですが、まわりのドイツ人の家族は自転車以前のランニングバイクの時代(2~3歳)から自転車で連れ立って出かけたりしています。

ただ、小さな子供にランニングバイクで車道横の歩道を走らせるのはかなり危ないです。身近でも、地元の新聞記事でも、子供の交通事故でランニングバイクはダントツに多いです。交通量の多い車道脇の歩道を平気で走らせる親もいますが、わたしは今までにいろんな事故の話を聞いたので見るだけでもゾッとします。

子供が自転車やランニングバイクで歩道を走る時、立て看板やバス停の時刻表示やゴミ箱などが下は空いて通れるのに、なぜか上の方に子供の頭がぶつかるぐらいの高さで設置されていることがあります。日本ではこのような設置は認められていませんが、ドイツではよくあります。わたしの目の前で頭を勢いよくぶつけて流血した3歳ぐらいの子をがいて、親にティッシュを渡したこともあります。お気をつけて。

車道を走る場合は手でサインを出す

日本では学校の自転車講習と、おじいちゃんくらいしかやっていない手での方向指示。ドイツでは道路を走るようになれば大人も子供もみんなしっかりやっています。やっていないのは歩道を走っている幼稚園児くらい。

それもそのはず、小学校4年生で授業時間内に警察の自転車講習を受けるのです。たまに講習で落ちる子もいますが、それが済んだら受からないままでも車道を走らないといけないのだとか。子供の親友は、厳しい警察官の指導に緊張して失敗の連続で受からなかったそうです。かわいそう。

手で出すサインは、右に曲がるときは右手を右に、左に曲がるときは左手を左に差すだけなので簡単です。最初は照れくさいのですが、慣れれば何も気にならず普通にできるようになりますよ。

優先のルールは知っていた方がいい

車に乗る人ならわかると思いますが、道路が交差している場所では基本は右側から来る車や自転車が優先です。左側から来る車や自転車に対しては自分が優先です。自分が優先道路を走っていて交差点に破線のラインがあれば右側から車両が来ても自分が優先。

相手が優先で自分が譲らないと危ないことがありますが、自分が優先なのに停まってしまうと危ないこともあります。日本語でもありますので、詳しくはドイツの車の交通ルールを確認しましょう。

自転車の盗難対策はしっかり

これは住む町によってドイツ国内でもかなり差があると思います。大都市では自転車自体を家の中や扉の閉まるガレージに片付けておかないと、自転車に頑丈な鍵をつけてポールなどに固定しておいても、取れるパーツだけごっそり盗まれるし、簡単な鍵なら切って自転車ごともっていかれます。

大都市では昼間も盗られる危険が多く、盗りやすいパーツ、サドルは持ち主が自分で外して持っていくこともよくあります。比較的平和な街でも夜間や駅の周りなどはよく盗難が発生するので、いくら鍵が頑丈でもそういう場所に自転車を停めないほうが安全です。わたしは駅などに停めるときは普段乗っている物でなく、古いボロボロの自転車で出かけます。それでも以前に1台盗まれました。フリマで50ユーロで買った自転車だったんですけど。

職場や学校で安全に駐輪できないような場合、盗まれやすい環境なら、あまり高価な自転車を買わずに安物の中古自転車を気をつけて乗るぐらいのほうがよいかもしれません。駐輪場でまわりを見回してみて目立つような高価で豪華な装備の自転車はかなり危険です。

乗る自転車を選ぶ

ドイツの自転車は日本のように丈夫で安いママチャリがほとんどないように思います。スーパーで売っている自転車でも200ユーロくらいはする。しかも日本のママチャリと違って安物はよく壊れます。自転車屋さんでも安い自転車も少しはありますが、500ユーロくらいが売れ筋のようで、1000ユーロくらいの自転車も、もっと高い自転車もフツーに売られています。

子供の自転車やママチャリ風自転車はRücktrittbremseといって、ペダルを反対に回すとブレーキがかかるようになっているタイプの自転車がよくあります。このタイプはハンドブレーキは片側にしかつきません。慣れないと乗りにくいのですが、慣れるとけっこう便利です。5歳6歳くらいの子供は手でブレーキを使うのが難しいので、このRücktrittbremseが主流です。大人用は普通に前輪後輪ともハンドブレーキが主流です。

体の大きいドイツ人にあわせてみなさん巨大な自転車に乗っていて、大人の街乗り自転車なら女性用でも車輪は28インチが普通です。体格に差があるので、フレームの高さを自分の身長(というか足の長さ)にあわせて選ぶことになります。

中古や友人から譲渡してもらうときは乗ってみて乗れればそれでよいのですが、新品を買うときは自分の体に合ったサイズの自転車をお店の人と相談して選んでもらいます。

子供を自転車に乗せる場合

日本の子供乗せ自転車はとても特殊な進化をしていて、わたしはあれをドイツに持ってきたくて仕方がないのですが、ドイツで子供を自転車に乗せる場合は、子供用シートを自転車本体に装着するか、牽引のAnhängerと呼ばれるカートみたいなものを自転車の後ろに取り付けて乗せるのが普通です。

子供用シートは前に取り付けるタイプと後ろに取り付けるタイプがありますが、体の大きいドイツ人規格で出来ているせいか、後ろタイプのものをわたしの自転車に取り付けて子供を乗せるとシートが高くて重くてとても不安定で乗りにくいです。妊娠中で10キロほど太っていたときは安定感があったので、わたしの身長と体重が足りないせい(決して痩せてない)かと思います。

シートに乗せるときは子供にはヘルメットをかぶせるのが普通です。牽引カートに乗せるときはヘルメット無しで乗っている子が多いです。ちゃんとした家の子供は三輪車でも、ランニングバイクでも自転車でもヘルメットをきちんとかぶります。大人のヘルメットは義務づけられていませんが、車道を走るせいか、日本よりも被っている人が多いです。

ドイツ人のママには、牽引カートに子供を2人、自転車のシートに1人の合計3人をひとりで運んでいる人もいて、すごいなあと思います。

牽引カートは平坦な道ならあまり重さを感じません。でも上り坂になると一気に重くなります。高くてもなるべく重量の軽いカートがおすすめです。坂道が多い場合は、電動自転車をおすすめします。

日本と違う自転車屋さん

わたしの住む町だけなのか、他でもそうなのかは不明ですが、自転車屋さんではポンプをタダで貸してもらえます。電動ポンプは見たことがなくて、普通に手でハンドルを押すタイプ。

日本と決定的に違うのが、パンクの修理。頼めばやってくれるのかもしれませんが、ドイツ人は普通自分でパンクの修理をします。これも地域差があると思いますが、割れたビール瓶などが道路に落ちていることも多いので、パンクはけっこう頻繁です。ギアの調整や、ブレーキの調整や面倒なパーツ交換などは自転車屋さんにやってもらう人も多いみたいです。

大学の寮ではコンピューターや自転車で困ったときにボランティアで助けてくれるチューターがいるところもありました。お金のない学生が、それぞれの特技を使って助け合います。とても便利でした。自転車屋さんで修理を頼むと、パーツの代金に加えて作業時間で料金をとられるので高いです。だからパンクやチェーン交換など比較的簡単な修理は自分でやります。大きなスーパーでは、パンクの修理セットだけでなく、タイヤやチューブ、チェーンなど自転車の修理用パーツがいろいろ売られています。自転車屋さんで買うより安いです。

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