卵の中身の上手な抜き方と、色んなイースターエッグの作り方

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イースターが近づいてくると、幼稚園や小学校などでイースターエッグを作ります。イースター本番には、食べるために家庭でゆで卵をカラフルに染めたイースターエッグを用意したりもしますが、工作には中身を抜いた卵を使うことが多いです。(生卵は使いません)

イースターってよくわからないし、タマゴに色をつけるのなんて興味はない、っていう日本人でも、ドイツで暮らしていると子供が幼稚園や学校から「中身を抜いた卵を持ってきてください」と言われることも多いのです。(工作用に卵の殻を持っていくときは、サルモネラ菌の心配があるので煮沸して殺菌しましょう、と聞いたことがあります。やってないけど。)

カトリック教徒がイースターを特に盛大に祝うのですが、ドイツでは普段は無宗教な生活っぽい人も多いのに、クリスマスと同じように家族の行事として一般にも定着しています。なので、イースターとなるとやっぱりきれいな卵を準備して、エッグハントをやったりする家庭が多いようです。

イースターにはどの家庭でも染めたゆで卵を食べるのが普通ですが、庭で鶏を飼っているような友人たちは、その数がすごい。ゆで卵を1日に5個や6個も食べるそうです。

日本人だしクリスチャンじゃないから関係ないと油断してはいけません。イースター前後には、ゆで卵に色を付けたものがスーパーの卵売り場にパック入りになって売っていたりします。生卵を買おうと思って間違ってゆで卵を買わないように気をつけてください。透明のパックなら気づくけど、普通の紙パックに入ってるのもあるんです。けっこう間違えて買っちゃった話を聞きます。

染めるには白い卵のほうが楽しい

染めるために使う卵は白でも茶色でもいいんですけど、白い卵のほうが染めるにしても色を塗るにしてもきれいに色が出やすいので、うちの子供は白い卵を欲しがります。他の子たちも白が好きなのか、食品会社が買い漁るのかは不明ですが、イースター直前になると白い卵が入手困難になったりもします。

茶色い卵は何色に染めても地色のせいでくすんだ濃い色になってしまいます。緑なら深緑、赤ならえんじみたいな感じでナチュラル系でクラフト紙みたいな感じでいい雰囲気といえばいいんですけど、パステルカラーが基調の明るいイースターの雰囲気とあわせるのがけっこう難しいと思います。

とにかくやるからには子供が楽しいほうがいいので、わたしは白い卵を用意してます。白い卵が欲しいときはイースター直前ではなく何週間も前から早めに白い卵を買って、中身を出した卵の殻を集めて確保しておくといいです。

中身を抜いたイースターエッグ

カトリックのクリスチャンにとって、イースター(復活祭)はクリスマスよりも大切な行事なのだそうです。クリスマスとちょうど何ヶ月かあいてることもあって、イースターにも子供はプレゼントをもらう、というおうちも多く、これからの季節に使えるインラインスケートや自転車など大物をイースターにあわせて用意するという話もよく聞きます。(うちの子供たちはイースターにプレゼントはもらえません。お菓子だけ。)

さて、本題の卵の話に戻りましょう。

卵の中身の簡単な抜き方

生卵の中身を抜くときは、特別な道具がなくてもできます。卵を洗って、掲示板に使うようなピンで卵の上と下に直径3ミリ~4ミリくらいの穴をあけて、卵の片方の穴から息を吹き入れれば中身が出てきます。

まずは上下に穴をあけます

ドイツの卵にはランクがあって、うちはオーガニックの卵しか買いません。スーパーでは0で始まる番号のものがオーガニック(BIOビオ)です。殻もしっかり厚いものが多いので、ピンで穴をあけるのも意外と簡単です。

卵に穴を開けるピン

しっかり手のひらに包んで持ったら、卵を持った手には力を入れないようにして、針の先に力を加えるとふつうはすぐにぷすっと刺さります。針をもった手にも力を入れて卵を割らないように気をつけてくださいね。

卵にピンで穴を開ける

穴をあけるとき、印をつけないでやろうとすると意外ときれいに卵の上と下に命中させるのが難しくなります。丸いので中心に穴を開けたつもりでもずれていることが多いです。

幼稚園の子供の工作用なら適当でだいじょうぶですが、それでもきれいに仕上げて飾りにしようと思うときは、穴を開けたい位置にあらかじめ鉛筆などで薄く印をつけておくことをおすすめします。

ふたつ穴が開いたら吹いて片方の穴から中身を出します

卵の構造からいって卵の上下に穴をあけてどちらかから息を吹き入れれば中身は必ず出てくるんですけど、卵が細くなっているほうを下にして、卵の太くて丸い側に開けた穴を上にして吹いたほうが断然楽に出てきます。卵の中身の構造からそうなっているようです。

だから卵はふたつ穴が開いたら太くなっているほうを上に持ちます。そして上にしたほう(もともと下側だったたまごが太くふくらんでいるほう側)穴から息を吹き入れます。(自分でも分けわかんない説明です。ごめんなさい。努力したんですけど、これが能力の限界。)

吹くときに気をつけないと、穴が小さかったりするとものすごく圧をかけないと出てこなかったりして、がんばって強く吹きすぎると耳のうしろが痛くなります。がんばりすぎると痛みがしばらく残る事もあるので、なかなか出ないときは決して無理をしないで穴を少し広げてあげましょう。

先に竹串をつっこんで卵の黄身と白身をかき混ぜておくといいらしいですけど、これがまたせっかくの殻を割っちゃいそうで怖いです。だからわたしは中身はかき回さずにそのまま吹いて出すことにしています。

卵の中身を出すための道具

わたしはもう何年もやっているからささっとできちゃいます。でも卵に口をつけるのって洗ってあってもサルモネラついていたらどうしようとか思っちゃいます。

ということで、生卵の中身を抜く専用のスポイトみたいな道具も持ってます。気分によって使ったり使わなかったりですけど、慣れるとこのBlas-Fixも使いやすいです。何よりドイツの卵はサルモネラの危険がありますから、卵に口をつけずに中身を抜けるのがいいですね。

卵の中身出し用の道具はBlas-Fixという名前で売られています。Amazon.deなどのオンラインショップで検索してみてください。小さな空気ポンプみたいなものです。専用の卵の穴あけ道具は残念ながら使いにくいので結局ピンを使っていますが、スポイトはとても使いやすい。何個も抜きたい場合は大活躍間違いなし。お店でもイースター前にはたまに見かけます。

筆で絵を書くときの卵の固定のやり方

中身を抜いた卵の殻に筆などで絵を書くときは、卵の殻の上下に開けた穴に竹串をつっこみます。小さな子供にやらせる場合は、先がとがって危ないので、竹串の先に木の丸いビーズを差したりします。でも普通は竹串そのままでも大丈夫。

穴が大きすぎると竹串にそのままでは固定できないので、その場合も木のビーズを竹串に接着剤でとめたものを使ったりもします。別に輪ゴムでも何でも卵が刺さった上体で固定できればなんでもいいわけです。

中身を抜いた卵に筆で絵を書くときは、普通の水彩絵の具を使ったり、アクリル絵の具を使ったりします。手軽なのでかわいいシールを貼ったり、最近ではドイツでも人気のマスキングテープ(Washi Tapeワシテープと呼ばれています)を使うこともあります。

木に飾ったりするために毛糸や細いリボンを通すときは、わたしは伸ばしたクリップを使ってやってます。実はわたしはこのときに殻を割ってしまうことが時々あって、けっこう難関だったりします。

いま思いつきましたがぬいぐるみ用の長い大きな針も持ってるのでそれもいいかもしれません。今度やってみます。他にいい方法を知ってる方がいたらぜひコメント欄で教えてください。

ゆで卵を染める場合(後から食べる時)の茹で方

ゆで卵はとがった側でなく、丸いほうの中心にピンで小さく穴をあけて、スプーンに載せて熱湯にそっと入れて11分ほど茹でます。そのままで茹でると殻にヒビが入ることが多く、これがいちばん殻が割れにくいかなと思うのでわたしはそうしています。

茹でるときの火力もあまり強いとぐつぐつと沸騰して卵同士が衝突して割れやすくなるので、沸いて少し泡がぽこぽこ上がってくる程度にしています。

最近は穴を開けずに、室温の卵をフライパンの少量の水でゆで卵にする方法で作っています。殻にヒビが入っていなければ、染液に入れても中には色がつきません。(むく時にさわるのでつきやすいですけど)

イースターエッグを染める材料

卵を染める道具はいろいろありますが、いちばん安くてどこにでも売られているものは、食用の着色料をタブレット状に固めたものです。これはイースターエッグ専用に作られています。

普通は5色入っていて、ドラッグストアのdmやおもちゃ屋さんや普通のスーパーでイースター前になると普通によく売られています。1パック1ユーロ程度の安いものです。ここではゆで卵を使っています。

イースターエッグ染料

飾り用に中身を抜きたい場合は、水に沈めるのが難しくなるので均一に染めたい場合は染めてから中身を抜きます。(割れやすいので、小さな子供には無理です。)

この場合は油を塗って磨いてからのほうが色落ちが少ないのですが、それでも卵の中身が多少は殻に触れるので、穴の周辺の色が若干落ちやすくなります。抜いた卵の上からスプーンで色水をかけてもよいのですが、ムラなく染めるのはなかなか難しいです。小さな子と一緒にやるなら、あえて模様が出るように上から液をかけて染めても楽しいです。

赤、青、黄、緑は定番ですけど、オレンジ色のはいったセットと、紫の入ったセットがあります。いろんな色をたくさん出したいときは色の違う2セットを用意するとすごくたくさんの色が出ます。紫は2色に卵をつける方法で簡単に出せますので、オレンジ入りのほうをわたしは買います。子供たちもオレンジ色は好き。

イースターエッグ染料

卵はゆでたての熱いうちのほうがよく染まるという話もありますが、冷たい状態でもけっこうきれいに染まります。

錠剤を容器に入れて、最初は熱湯を50ミリリットルくらい入れて錠剤を溶かします。最初に軽く割っておくと溶けやすいです。オレンジ黄色がいつも溶けにくい気がします。塊が残っていると卵に濃い部分ができたりするので、仕上がりを気にするならきれいに溶かしましょう。

錠剤が溶けたらさらに水を100ミリリットルくらい入れて、色の定着をよくするためにお酢を大匙1~2杯くらい(適当で大丈夫です)入れます。(パッケージの作り方では、250ミリリットルでお酢大匙2杯となってます)

イースターエッグ用食紅

鶏卵ならボンヌママンのジャムの空き瓶が上が広くて安定感もあって小さな子にやらせるのにもちょうどいいです。幅がぎりぎりのコップなどだと子供が上手に出せなくて卵を割っちゃったりします。卵はまあいいんだけど、子供が割れちゃった~と悲しんで泣くからかわいそうです。なるべくやりやすい道具を用意してあげてください。

大きな食事用のスプーンに卵を乗せてそーっと色水に沈めます。濃くしたいなら5分くらいそのままつけておきます。液は卵を入れてちょうど上までかぶるくらい濃い目に作っておいたほうが濃い色が出しやすくなります。しっかりと思い切り濃くしたい場合は錠剤を2個以上使います。2個なら水とさめた卵でもかなり濃くなります。

うすーくパステルカラーにしたい場合は、1錠で液を作っておいて卵全体を液につけたら一瞬で取り出すときれいなパステルカラーになります。もっと薄い色がほしければ、錠剤を割って薄めに液をつくればよいでしょう。最初に濃い色を染めて、水をたして薄めて色を変えることもできます。下の画像は1錠で作った液にくぐらせる程度の短時間で染めています。

パステルカラーの染料も最近は売られていますが、あえてパステルカラーを買わなくてもこの方法で簡単にきれいなパステルカラーを出すことができます。

イースターエッグの染め方

色を重ねると中間色も出せます。その場合、たとえば黄緑色に染めたいときは最初に黄色に染めてから一瞬だけ緑の液につけます。青→赤の順だと赤紫、赤→青の順だと青紫。黄色は最初に使って他の色を乗せるとどの色と混ぜても安定しやすいです。黄→緑でイースターらしい黄緑色になります。順番や組み合わせによっては微妙な色になってしまうので気をつけてくださいね。

5色だけど液の濃さといろんな組み合わせで沢山の色ができて楽しいですよ。この作業はもう10年以上も毎年やっているのでちょっと自信があります。

染めた卵はキッチンペーパーで軽く拭いて、紙の卵用パックのふた側などにキッチンペーパーを敷いてしっかり乾かします。

濡れている間に触ると色が手につくし卵の色もムラになります。小さなお子さんと卵を染める場合は、テーブルの上で直接道具を広げると液がこぼれてシミがついたりすると掃除が面倒なので、新聞紙を敷いたり、さらにその下に防水テーブルクロスを敷いたりするとよいです。

作った染色用の液は数日くらいなら常温で保管してもそのまま使えます。ここでもボンヌママンのビンは蓋をして保管できるので便利です。使い終わった液は、トイレに流しています。

仕上げは油(ラードとかバター)で艶出し

イースターエッグ専用食紅で染めた卵はそのままでもマットな感じが好きなんですけど、オットは艶出しエッグが好きなようで、オットのためだけにわたしは仕上げにバターを薄く塗ってます。キッチンペーパーにバターを薄くとって全体を軽く磨くだけで控えめなつやが出ます。

虹色イースターエッグ

相方の実家ではお肉屋さんで買ったベーコンの脂身を使ってたそうです。うちはあまりベーコンは買わないし、卵だからバターのほうがなんとなくいい感じ(ケーキの材料的なイメージ)、と思ってわたしはバターです。

卵を使ったいろんな工作が盛ん

すこし大きなお子さんだと、かわいいシルエットになったシールを貼ってから染めたり、溶かした蝋をテンテンと棒で卵につけてから染めて水玉模様にしたり、筋をつけたり、葉っぱなんかをストッキングにくるんでから染めてカタチを出したり、さらにいろんなイースターエッグの手法があります。

卵を染める染料も、上で紹介したタイプ以外にラメっぽくなったり、マーブル模様にできたり他にも種類があります。エナメル絵の具と絵筆を使う人もいますし、要はなんでもよいのです。ただ、食べるためのゆで卵を染めるなら、一応口に入ってもよいという上のタイプがいいかもしれません。殻に見えないヒビが入っていて、中のゆで卵も染まっていたりするし、皮をむく時に殻の色が中身についてしまったりするからです。

ドイツでは盛大に祝われているだけあって、イースターエッグにかける情熱はすごいので、本屋さんや図書館でもいろんなイースターエッグの染め方、塗り方が紹介されていますから工作の好きなお子さんならいろいろ試してみたら楽しいと思います。

日本の普通のスーパーの卵の殻は柔らかい

わたしがドイツで普段買っている鶏卵はオーガニック(ビオ)の卵。殻もしっかりと厚いものが多いのですが、日本の普通のスーパーに売っている卵の殻はそれよりも断然薄い印象があります。

殻が薄いと中身を抜くのも、色を塗ったりするのも難しくなります。子供にイースターエッグを作らせる場合は、予め一緒に買った卵のなかから試験的に中身を抜いて殻の厚みをチェックしておうたほうがよいでしょう。

殻が扱えないほど薄い場合は、中身を抜くのではなく、ゆで卵でやったほうが無難です。特に子供さんがやる場合には、割れやすい卵では途中で割れてしまう確立が高くなってしまうので、かわいそうです。

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コメント

  1. たま より:

    お酢って市販のもので大丈夫ですか?友人からはwhite vinegerと言われたのですがスーパーで見つからず…

    • AKO より:

      たまさんへ

      返信が遅くなってすみません。もうイースター明日になっちゃいましたね。

      お酢はなんでも大丈夫ですが無色、透明なものがいいと思います。バルサミコ酢みたいに色が濃いお酢だと染料の色が変わってしまうので。

  2. すみ より:

    3歳の娘と初めて卵の色付けをするのに参考にさせて頂きました。
    おかげで綺麗なパステルカラーのイースターエッグができました。
    ありがとうございます
    ボンママのジャムのグラスをとりあえず取っておいてよかったです

    • AKO より:

      コメントありがとうございます!カラフルなイースターエッグは春らしくて嬉しくなりますよね。うちでも今日子供たちがゆで卵で作りました。