生木のクリスマスツリーの種類と扱い方

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ドイツの家庭で飾るクリスマスツリーは今でも本物のモミの木(あるいはトウヒ)を使うのが主流。12月の中旬頃から駐車場や広場を利用してクリスマスツリーを売っていたり、バウマルクト(Baumarkt)と呼ばれるドイツのホームセンターでも、クリスマスツリー用の生木の取り扱いがあります。

クリスマス直前に買う、という人もいますが、お店で買う場合は17日前後に日持ちのする樹種を選んで買っておいたほうが形のきれいな木が選べるのでおすすめです。(見たのが遅かった方はぜひ来年の参考にしてください)

お店ではなく、地元の森や農家の直売所や、自分で木を選んで切ってもらうような所なら、クリスマスの直前に買う人も多いです。

生木のクリスマスツリーの値段

ツリーはドイツ人の相方担当なので、わたしが自分で買いに行くことが少ないのですが、バウマルクト(ホームセンター)で1.5~1.7メートル程度の木で25ユーロぐらい。大きな木が好きな友人宅のは2メートル以上あるので100ユーロとかしてるそうです。

期間限定で生木のクリスマスツリー販売

買う場所と木の種類によって値段はそれぞれです。本物の木でなくて毎年使える作り物のクリスマスツリーも売られてはいますが、多くのドイツ人にとってはクリスマスツリーは本物の木でなくては、というこだわりのある物らしいです。

生木のツリーを買うときの注意点

作り物のツリーと生の木では扱いが違うので、慣れないと何をどうやったらよいのか分かりません。本物の木でクリスマスツリーを飾るときの注意点をまとめてみました。

クリスマスツリーを買う時期

お店にクリスマスツリーが出始めたら早めに購入しないと綺麗な形の木から売れていきます。クリスマスの1週間~10日前に買ってもきちんと世話をすればクリスマスまで木は元気に水を吸ってくれます。

いちばん新鮮な木は地元で森から直接切って販売しているところで手に入ります。クリスマス直前に森から木を選んでその場で切ってくれるところもあります。そういうところは車で行かないといけないし、車に乗せるのも下に敷くシートの準備とか、何かと面倒なのでうちは毎年近所のホームセンターで購入します。12月中旬からツリーを抱えて歩く人はけっこう見かけます。

クリスマスの1週間ほど前に買ったので十分新鮮で、ちゃんと切り口をノコギリで切って水をあげて管理してあげれば新年まで持ちます。

鉢植えのクリスマスツリー

鉢植えのクリスマスツリー用の木はその後に地植えする予定がある人ならおすすめだそうですが、そうでなければ普通は切ったツリーを購入します。鉢植えのクリスマスツリーは根や土がついている分、すごく重いので持ち運びも大変です。

買う前に置き場所をチェックしてサイズを確認

売り場で見ると小さな木見えても家に持ってかえってくると天井につっかえてしまうような巨大な木だった、というのはよくある話。きちんと自宅のリビングで 高さを測って限界を知り、家族で大体の大きさを決めてから買いに行くのが無難です。

高すぎて入らないときは上(星を取り付ければ少しなら分からない)や下をすこし切って入れるのですが、典型的なクリスマスの失敗話としてはツリーを買いに行ったパパがやらかします。女性は大きな木にこだわる人が少ないですが、なぜか男性はなるべく大きな木を!とはりきる人がいるみたいです。

まったく男って、しょうがないわよね

と他人の話なら笑えますが自分の夫にやられると本気でムカつくので、せっかくのクリスマスが台無し。先を切ったり、天井で曲がったりしたツリーは目に入る度に情けなくなります。パートナーに木を買いに行ってもらうときはぜひ木のサイズ(高さ)について話し合ってからにしましょう。

こちら、2018年12月のインスタで入ったottoの広告の一部。夫がクリスマスツリーを居間に立てるのを見ていた妻の表情が最高です。夫が大きすぎるツリーを買ってくるのがドイツでは「クリスマスあるある」なのが分かります。

大きすぎるクリスマスツリー 大きすぎるクリスマスツリー

実はクリスマスは家族内の喧嘩が多い時期

ちょっとツリーとは関係ないのですが、ドイツのクリスマスの心構えとして知っておいたほうがよいのが、クリスマスは家族内の揉め事が多いという事。

クリスマスの前はアドベントもあるし、仕事も忙しいし、12月のはじめからみんながずっとピリピリしています。プレゼント選びや料理の準備、飾り付けなどで意見が合わないことも多いので、それでなくても夫婦喧嘩、親子喧嘩の多いのがクリスマス。ストレスのピークが25日です。クリスマスツリーの木にまつわる夫婦喧嘩、周囲でもよく聞きます。

特に義理のお母さん(とその他の家族)に必要な配慮は、パートナーから前もってしっかり聞いておくのは大事です。

クリスマスツリーを買ったら

木を買って家まで持って帰って来る

近場で自分で運べる場所からツリーを持って帰ってくるなら軍手やガーデニング用の手袋があると運びやすいでしょう。木の種類によってはヤニが出たりチクチクしたりするので汚れてもいい服装で扱うのが無難です。

1.5メートルぐらいまでの木ならネットで小さく包んでもらって電車やバスで持ってかえってくる事もできますが、少々迷惑がられるかもしれません。たまに小さな木を公共の交通機関で運ぶ若い人を目にします。

車で持って帰ってくる場合も、葉が沢山落ちるし、樹種によってはヤニが出てそれがトランクや座席について汚れたりするので、下に敷くシート(汚れてもいい古い毛布とか、養生用の布とか、ビニールシート)などもあったほうがよいかと思います。

家の中に飾る前に

木を買ってすぐに家の中に入れると気温差で木が弱ります。普通はリビングルームに飾ると思うのですが、買ってきてすぐに屋内に飾るのはやめて、一旦地下室や、ベランダなど気温の低いところで幹の切り口を水につけて保管します。

ドイツでも家庭によって飾る時期は違うのですが、多くの家庭ではクリスマスの直前の23日頃に部屋に入れて飾り付けをします。(だからギリギリに買う人も多い。)それまで直射日光の当たらないベランダなどで保管しておくほうが長持ちする気がします。

買ったときはネットに入れて傘をたたむような感じにしてくれます。忙しくて2,3日そのままで切り口だけ水を入れたバケツにつけてベランダに保管することが多いのですが、それでも大丈夫のようです。その後クリスマスツリースタンドに立てて水を遣りますが、わが家は23日までベランダで飾りつけせずに置いておきます。

外に出してあったクリスマスツリーをクリスマス直前に飾る場合は、少なくとも半日ぐらい前に屋内に入れてあげないと枝葉が湿っていることがあります。直前に買った場合も、もって帰ってくる時にネットで梱包してもらった状態から枝が元に戻るのに少し時間がかかります。外から家に入れて飾り付けをするまで、できれば半日ぐらいは余裕をみておくのがよいでしょう。

クリスマスツリーの水遣りと世話

クリスマスツリー専用のスタンド

生木のツリーを飾るには、クリスマスツリースタンド(Weihnachtsbaumständer)は必須です。昔ながらの豪華な装飾のものも味があってよいのですが、最近のワイヤーで固定できて水の位置も分かるようになっているダークグリーンのスタンドは目立たないし、しっかり立つし、木の世話も楽でお勧めです。

クリスマスツリーのスタンドは重いので、子供が小さい場合は、触らないように言い聞かせておくと安心です。古いクリスマスツリースタンドに子供が手をつっこんで抜けなくなったなんていう事故も聞いたことがありますので小さなお子さんがいる場合は気をつけてあげてください。

扱いは切り花と似ている

理想的なのは、クリスマスツリースタンドに差す前に、木の幹の下の部分を3センチほど切ってからスタンドに立てます。よく切れるノコギリが必要なので、家でやるのが大変なら購入したところで切ってもらって家に帰ってきてすぐに水につけてもだいじょうぶ。

新鮮な木は毎日よく水を吸います。木の大きさにもよりますが、毎日~2、3日おきに水を足してやります。クリスマスツリースタンドには水位を表示するタイプのものがあるので新しく買う場合はそういうスタンドを選ぶとよいでしょう。昔の差し込むタイプのスタンドよりも、ワイヤーで木の幹を固定するタイプのスタンドが扱いが楽です。

丸くて水が入れられる最近のタイプは木が立てやすくて水遣りも楽です。スタンドも木の大きさによってサイズがあります。

生きている植物なので置き場所に注意

クリスマスツリーを立てるときは、暖炉や暖房の近くにならないようにしましょう。熱風が当たると木が弱ります。ときどき換気をして風を通してやるのもよいそうでうす。

クリスマスツリーに使う木の種類

クリスマスツリーとして使われる木にもいろいろな種類があります。Nordmanntanne (Abies nordmanniana)という種類が人気があって、クリスマスツリー用にいちばん多く出回っている種類です。木の生育が遅い木なので値段は高めです。鮮やかで濃い緑色をしているのでうちも毎年このモミの木を選んでいます。やわらかい葉ですが枝がしっかりしているので大きめで重さのある飾りも吊るすことができます。

WEIHNACHTSBAUM-NORDMANNTANNE

Blaufichte (Picea pungens)もクリスマスツリーとして昔から人気が有ります。ブルーグレーっぽい色の葉が美しい木です。日持ちもそこそこで枝葉がしっかりしているので本物のろうそくを灯したいときはこの木が向いています。

Edeltanne (Abies nobilis)もクリスマスツリーとして典型的な樹種で、だいたいNordmanntanneと同じぐらいの価格で売られていますが、こちらのほうが長持ちさせやすい木です。オレンジに似たとても強い香りを放ちます。

Fichte (Picea abies)はいちばん価格が安いのですが、日持ちがしないので長く飾るのには向きません。Rotfichte(Picea rubens) も森から切ってもらうような場所で多く売られていますが、Fichteと同じように長持ちは期待できません。新鮮な木を直前に買って飾るのがよいでしょう。

クリスマスツリーとして売られているのは他にも種類があります。売っている人が詳しいのならきちんと木の性質を知って購入するとよいかと思います。

地元の森で切ってもらう場合はどの木でもよいかと思いますが、遠方から運ばれて来る木は環境のためにも、木の鮮度の上でもあまり買わないほうがよい、と言われています。

枯れてくると葉がどんどん落ちる

クリスマスツリーは花瓶に差す切花と似ていて、新鮮な間は水をすって生きていますがそのうち水を吸い上げる力が弱くなり、さらに日がたつとまったく水を吸わなくなります。こうなると葉が乾燥してくるのでポロポロと床に落ちるようになります。

木の種類と置き場所の環境や世話によって長持ち度は違いますが、枯れだすとどっさり葉を落とす木もあるのでそうなる前にリビングから運び出して片付けてしまわないと大変なことになります。

Nordmanntanneは比較的長持ちなので1月に処分するまで葉が残っています。そういう点でもクリスマスツリーとして扱いやすい木です。

クリスマスツリーを飾るのは1月6日まで

ドイツではクリスマスが日本のお正月のようなもので、25日がクリスマス第1日、26日がクリスマス第2日です。クリスマスツリーが必要なのは24日~26日。その後は家族の都合や好みで早めに立てて早めに片付ける人もいるし、遅く立てて年明けに片付ける人もいます。

伝統的には1月6日に片付けるらしいのですが、最近は年明けの3日ぐらいに片付ける人が友人知人には多いようです。でもうちには頑固なタイプのドイツ人がいるので片付けるのは6日と決められています。最も遅くても1月6日には片付けるのが普通だそうです。

処分は自治体によって違う

クリスマスツリーを片付けた後は、小さく切って生ゴミに出してください、というところもあるし、クリスマスツリーの集積場が年明けに設置されるところもあるし、予め申し込みをしておけばお金を払って収集してくれるところもあるようです。

生ゴミとして出すといっても、近所の人たちのツリーを見ていると1.5メートルぐらいの木が多いのでやはりゴミカレンダーの出し方に従ってクリスマスツリーとして処分するほかないように見えます。

大きすぎるクリスマスツリーを買うと処分も大変になることがあるので、購入前に住んでいる自治体の処分方法を調べてから購入したほうがよいかもしれません。処分するときのクリスマスツリーはもう枯れていてとても沢山葉が落ちるので、自家用車で運ぶのはけっこう大変。楽なのは自宅前まで取りに来てくれる回収です。

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