ドイツの美味しいバター、主な種類と使い方

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酪農が盛んなドイツでは、乳製品の種類が豊富で値段もお手ごろ。日本で知られている乳製品以外にもたくさんの種類があるし、日本にあるバターやクリーム類も、日本にはないような種類が沢山あるのです。

バターなんて日本でも当たり前の食材ではあるけれど、ドイツのバターは種類が多くて売り場に行くと小さなスーパーでも普通に10種類以上、大きなスーパーではおそらく30種類ぐらいのバターが並んでいます。

こうなると勉強しないと、売り場で見ただけではいくらがんばってもそれぞれのバターにどういう違いがあるのか分かりません。

安くて美味しいドイツのバター

日本人のマダム達にはフランスの発酵バター、エシレバター(ÉchiréとかECHIRE)が超高級バターとして有名らしく、ドイツに来てすぐの方もマルクトなどで見つけて安い!と喜んで買ったりします。

でもドイツ長期滞在の方でわざわざフランスのバターを買っている人には会ったことがありません。マダムじゃないので分からないのですけど、たぶん普通にスーパーで売っている安いドイツのバターも十分美味しいからです。

日本で売られているバターは、普通の国産バターもドイツと比べるととても高いので、はっきりいって日本人なら高くても買うだろう、いや、むしろ高いほうが買うだろう、とひどくボラれているんじゃないでしょうか。それとも要冷蔵だから輸送費が嵩むのかな。

無塩バターがドイツでは普通のバター

ドイツ人が一般的にパンにつけたり、ケーキを焼いたり、料理に使ったりするバターは全て塩が入っていないバター。無塩バターです。最も一般的なバターは250gの塊を薄いシートで包んだようにして売っているタイプ。

ドイツの一般的なバター

Deutsche Markenbutterはドイツで決められたバターの規格にあわせて作られたバターです。迷ったらまずこのタイプのバターから試してみてください。

ドイツのバター成分表

こちら、上のバターの成分表。脂肪分が82%です。その他、バターにまつわるドイツ語をご紹介しましょう。バター選びの参考にどうぞ。

  • Butter バター
  • gesalzen 塩入り
  • Meersalz 海塩

塩が入っていたり、ハーブやにんにくで味付けをしてあるようなバターは、日本のマーガリンのようにプラスチックのケースに入って売られていることが多いです。

  • streichzart 硬くならない

という表示があるバターは、冷蔵庫に入れても硬くならずにパンに塗りやすいようにやわらかめに配合されています。日本のマーガリンのようなプラスチックケースに入った製品が多いのですが、上のタイプのようにシートで包んだ250gの塊で売られている製品もあります。

主なバターの種類

さらにドイツのバターには発酵、無発酵などによって種類があります。食べ比べてみれば味の違いはありますが、普通は塩入り、塩なしさえ間違えなければ、料理やケーキやクッキーなどではそれほど気になりません。

  • Sauerrahmbutter 発酵バター(乳酸菌を加えて発酵させたもの)
  • Süßrahmbutter 無発酵のバター (乳酸菌を加えず熟成だけさせたもの)
  • Mildgesäuerte Butter (熟成後に乳酸菌を加えたもの)
  • Salzbutter 日本の一般的なバターのように塩入りバター

お菓子作りが趣味の人なら、いろんなバターを使って味の違いを比べてみても面白いのかもしれませんが、正直言ってわたしにはあまり違いが感じられません。

ケーキやクッキーなどのお菓子に使うバターの種類

ドイツの料理本のレシピを見ても、普通はバター(Butter)と書いてあるだけで、バターの種類までは指定されていません。慣れないうちはわたしのように、一体どのバターを使ったらよいのか悩んだことがある方もいるではないでしょうか。

Süßrahmbutterは甘いお菓子に向き、Süßrahmbutterは肉やチーズなど塩味の料理に向く、という話もありますが、気にしない人も多いかと思います。

結論からいえば、250gの塊で売られているような、一般的なバター(無塩バター)であればどれでもよいということのようです。

クッキーなどバターの柔らかさが重要なお菓子の場合

ホワイトソースを作ったり、ケーキに溶かしバターを入れる、などという場合はバターの硬さはあまり問題にならないのですが、クリスマスクッキーのようにバターの柔らかさが生地の仕上がりに大きく影響するようなお菓子を作る場合には、バター選びは大切です。

以前、適当にバターを買っていた時にはstreichzart(やわらかくて塗りやすい)タイプを使ったこともありますが、やわらかいだけあって生地の仕上がりが緩くなってとても扱いにくかったことがあります。

それ以来、クッキーを作るときは必ず普通のいつも使っているDeutsche MarkenbutterのSüßrahmbutterを使うようにしています。これは個人の好みですから、お菓子作りが好きな方は自分でいろいろ試してみられるとよいでしょう。

パイ生地が作りやすいドイツのバター

日本のバターでも、ドイツのバターでも自分でパイ生地を作ったことがありますが、日本のバターが冷蔵庫でよく冷やすとカチカチに固くなってしまうのと比べて、ドイツのバターは冷蔵ぐらいではそれほどカチンコチンに固まってしまうことがありません。

ドイツのSüßrahmbutterでパイ生地を作ると、冷蔵庫でよく冷えたバターでも小麦粉と一緒にのばしやすいので、わたしはドイツに来てからパイ生地を作る作業が好きになりました。冬に暖房を切って窓を開けて台所に冷気を入れて作業をするとサクサクのパイ生地がとても上手にできます。

パンに塗って食べるときのバター

ドイツ人はパンをトーストして食べないことも多いので、冷たいパンに硬いバターをそのまま塗るのは大変です。

義理の母は、バターを食事の前に必要なだけ冷蔵庫から出しておいて、塗るときは室温に戻したやわらかいバターを使います。朝食用には前日から出しておくし、夕食用にはお昼ごろから出しておきます。

家庭によって違うかと思いますが、バターを出しておくときはバター専用のふたのついた陶器を使っています。日本にあるようなバターケースもよく見かけます。

バターの保存期間

バターの賞味期限は、パッケージに印刷されているとおりですが、これは開封しない状態の保存期間。買ってきて開封せずに冷蔵庫に入れたときの期限です。冷凍では6ヶ月間保存ができます。一方、封を開けた状態では、冷蔵庫に蓋をして保存をしても14日間。

常温でバターがもつのか、というのは気温などの条件にもよるのであまりはっきりとしたデータが見つけられなかったのですが、翌日にケーキを焼くときや、その日の夜にケーキを焼くときなど、ドイツ人は半日~1日バターを室温で置いておくことがあります。わたしもよくやりますが、そのぐらいなら室温でも大丈夫です。

参考リンク

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