2重国籍の子供のパスポート取得と使い分け

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国際結婚で生まれた子供であれば、日本とドイツの両国を行き来する機会があるのが普通です。その時に悩むのが子供のパスポート。ドイツパスポートを作ってそれを使えばよいのか、日本のも所持したほうがよいのか、両方を持った場合はどうやって使い分けたらよいのか。

自身が二重国籍ではないわたしは最初さっぱりわかりませんでした。なので適当にやっていたわけですが、調べてみると一応推奨される使い方があるようなのです。日独のパスポートの使い方の実際をまとめておきます。

元が自分用の記録として書いているので、すごく分かりにくいです。それでもよければ該当する箇所だけ選んでお読みください。

2重国籍となるためにまずは両国の国籍を持つ

ドイツ人の子にはドイツ国籍が与えられる

ドイツの国籍は、親のどちらかの国籍がドイツなら子供は自動的に得られるので、出生届けと国籍留保は関係が無いと日本のドイツ大使館のサイトに書かれています。どこで生まれても、ドイツ大使館に出生届けを出していなくても、いつまでに手続きしなければ国籍自体が失われる、ということはないようです。

出生届の提出先は、その出生を登録しようとする子が通常滞在している、または住民登録があるドイツの町の戸籍役場です。ドイツ国内に住所がない場合は、申請 者が通常滞在している、または住民登録があるドイツの市町村の戸籍役場となります。例えば両親のうち一人がドイツ国内に居住し、一人が日本に住んでいる場 合はドイツ国内の戸籍役場です。両親が二人ともドイツ国外に住んでいる場合はベルリン戸籍役場Iです。
現住所が日本国内である場合は、出生届を大使館(東日本地域にお住まいの方)もしくは総領事館(西日本地域にお住まいの方)に提出し、各公館から転送することもできます。
出生の届出に期限はありません。

引用:http://www.japan.diplo.de/Vertretung/japan/ja/03-konsular-und-visainformationen/032-rk/Geburtsanzeige.html

子供のドイツ国籍についての詳細は直接ドイツ大使館のサイトでご確認ください。

海外で子供が生まれたら日本国籍留保のために出生届けを

一方日本国籍は、親のどちらかが日本人であるからといって自動的に与えられるものではありません。日本は外国人に国籍を与えるのも厳しい印象がありますが、日本人と外国人の子供であっても厳しい姿勢を取っています。

ドイツ人と日本人の夫婦にドイツで子供が生まれ、日本の関連機関にも出生届けを出して日本国籍を留保しなければ子供は日本国籍を一旦失います。出生届けは海外在住の場合は生後3ヶ月以内に必ず済ませなければいけません。

3ヶ月を過ぎてもなんとかなるだろう、と簡単に考えていた、というより忙しくて出生届けを出すのを忘れていたというドイツ人日本人の夫婦を知っています。なんかなるだろうと思っていたら、かなり煩雑な手続きが必要だということがわかり、結局いまそのお子さんの日本国籍はありません。日本に居住すれば後からでも国籍が取得できる方法もあるそうですが、手続きは面倒っぽいので、日本国籍を留保したいのなら日本の出生届けはくれぐれも3ヶ月の期限を守りましょう。子供本人が海外で暮らしている限り、出し損ねた出生届を期限後に認めてもらうことは普通は出来ないそうです。

ドイツで子供のパスポートを作る

ドイツで生まれたドイツ国籍の子供で、日本国籍を留保している子には、

  1. 通常のドイツのパスポート
  2. ドイツの子供用パスポート
  3. 日本のパスポート

と3種類のパスポートを作ることが可能になります。

ドイツと日本のパスポート

左後ろ:ドイツの子供用パスポート, 左手前:通常のドイツのパスポート, 右:日本のパスポート(子供は5年)

(親の国籍によってはさらに他の国のパスポートを作ることもできる場合があるかもしれません。)

ドイツ国日本総領事館で日本のパスポートを作る

ドイツ国内でも、フランクフルトやミュンヘンなどの日本総領事館で日本のパスポートを作ることが可能です。日本のパスポートセンターのようなサービスはありませんが、決まった書類に記入して、パスポート用写真を提出、条件によっては日本の戸籍謄本やドイツの出生証明書を提出すれば普通にパスポートが作成できるのです。手数料は子供で現在42ユーロ(子供の期限は5年)です。

実際に出向いて申請する以外にも、郵送で書類を提出しておいて本人が受け取りに行ったり、自宅が遠い場合は、ハイデルベルクなどでの領事出張日で受け取ることも可能だとか。詳細はそれぞれお住まいの地域の管轄の総領事館のウェブサイトで確認してみてください。

ドイツの子供が持てるパスポートは2種類

ドイツの子供が持つパスポートには、大人が作る普通のパスポートと、子供専用のKinderreisepassというパスポートの2種類があります。このKinderreisepassは12歳までの子供が対象で、写真を持って両親が揃って子供を連れて担当の役所に出向けば、その場で作成してもらえます。片親だけで行くともうひとりの親の同意のサインが必要だと聞きました。

ドイツ子供用パスポート

このKinderreisepassは発行手数料安く、手続きも通常のパスポートよりも簡単です。日本帰国もこれで普通にできるので、子供の間はこのKiderreisepassを持っているお子さんが多いです。ただし、アメリカ合衆国のようにePassが必要な国はこの子供用パスポートではなく大人と同じパスポートが必要です。旅行の目的地によって事前にどのパスポートが必要になるのか調べてからパスポートを作成しましょう。

Kinderreisepassの詳細(ドイツ語)

公式サイトによると、Kinderreisepassは6年間有効で、初回の発行費用は13ユーロ。写真を更新したり、期限を延長するなどの再発行はなんと6ユーロでできてしまいます。子供にやさしい国、ドイツならではの低コスト。赤ちゃんの時に作ったパスポートは3年もすれば本人確認も難しくなりますから、写真を更新しておいたほうが安心です。(が、うちは相方の「赤ちゃん写真がかわいいから」という理由でそのままで6年使いましたがトラブルはありませんでした。)

建前としては、2重国籍の人はドイツを出国するとき、ドイツに入国するときはドイツのパスポート、日本に入国するとき、出国するときは日本のパスポートを使うのが原則と言われています。でも、90日以内の日本帰国にしかパスポートの使い道がない人たちは、2重国籍の子でも日本のパスポートは作らずに、ドイツの子供用パスポート(Kinderreisepass)だけで日本に里帰り帰国をします。

ドイツのパスポートを使えば、ドイツ人として日本に出入国することになりますが、日本に入国してしまえば日本人であって、住民登録なども必要であればできます。日本人が日本で暮らすのに日本のパスポートも必要ありません。90日以上の滞在でなければ実際問題何も困ったことは起こりません。

パスポートの基本的役割を理解する

パスポートが持つ役割というのは、旅行の間にその人物の国籍、身元を証明するものです。そして空港などを通って外国に入国するときに通行証の役割も果たします。

日独の2重国籍の人の場合は、ドイツにいればドイツのパスポートは必要なく、日本にいれば日本のパスポートは必要がありません。むしろ日本にいるときはドイツのパスポートが意味があり、ドイツにいれば日本のパスポートに意味があるということになります。

日本とドイツ以外の国にいるのであれば、両国のパスポートを持っていることがもっと重要な意味があるかもしれません。たとえば仮に災害や戦争などの非常事態になったとき、子供が両国のパスポートを所有していればドイツと日本の両国に援助を求めることができます。安全のための移動や救助の可能性を高めるために

日本帰国時に子供はドイツのパスポートしか所有していない場合

正式には一応日本国籍のある子には日本のパスポートを作って、日本の出入国には日本のパスポートを使うことになっています。でも実際は90日以内の日本滞在ならドイツのパスポートだけでも特に問題ありませんでした。

ドイツから日本里帰り帰国のフライトチケットを予約する

フライトを予約するときには、わたしは必ずドイツのパスポートを使います。ドイツ在住なら普通はドイツの出入国はドイツのパスポートですることになりますから。

空港のパスポートコントロール

日本に帰国時に親が日本のパスポート、子供がドイツのパスポートですと、空港のパスポートコントロールのところでは外国人のところに並ばされます。ドイツは親が外国人でも子供がドイツのパスポートを所有していたら親も一緒にドイツ人のところに並ぶのですが、日本入国の際は親子揃って全員日本のパスポートがないと日本人扱いしてもらえません。全員外国人扱いとなります。

滞在期間が90日以内

90日以内の短期滞在であればドイツ人ならビザ無しで日本滞在が可能です。ドイツ人として普通に日本に入国して、帰国時もドイツ人としてドイツのパスポートで問題ありません。2重国籍の子の場合、建前上はドイツ出入国はドイツのパスポートで、日本の出入国は日本のパスポートで行うのが正しいとされているようですが、日本のパスポートを作るように言われることもありませんし、90日以内の日本滞在であれば何の不都合もありません(空港の入国で外国人のところに並ばされるぐらい)から、ドイツのパスポートしかもっていないという子供はうちだけでなくわりといると思われます。

ドイツのパスポートで入国して日本滞在が90日以上

(これはやったことがないので実際の経験はないのですが、これで迷っていろいろ調べたので書いておきます。)

ドイツのパスポートで入国すると、ドイツ人(=外国人)として入国しているので、90日以上の日本滞在になる場合には、入国管理局に在留資格抹消の願出届を行い、ドイツ人として入国した記録を消してもらうことになるそうです。手続きには戸籍謄本の提出が求められます。

手続きをしないまま、入国90日を過ぎると不法滞在の外国人ということになってしまうので、ドイツのパスポートのまま日本を出国するのは、いくら二重国籍を持っていても問題になります。

なので90日以上日本滞在の予定でまだ日本のパスポートを所有していないなら、日本滞在中に必ず日本のパスポートをつくり、入国管理局で在留資格抹消願を提出するそうです。

2重国籍の子の日独両方のパスポートの使い方

正しい、とされる方法は一応ドイツの日本の両方のパスポートを所有して、ドイツ出入国はドイツのパスポートで、日本の出入国は日本のパスポートで行うとなっています。この場合は、ドイツと日本の2冊のパスポートを持って旅行をすることになります。

適当にどちらか1冊のパスポートを出せばいいというわけでもなくて、基本的にどこでどのパスポートを使うほうがよいというルールがあるようです。

里帰り一時帰国のフライトチケットの購入には

ドイツに住んでいて、日本に一時帰国するときふつうは飛行機で帰国するかと思います。フライトチケットを予約したりチェックインするときは名前とパスポート番号などが必要になります。これはドイツに住んでいてドイツから出入国する場合はドイツのパスポートを使います。

ドイツで飛行機に乗るときのパスポート

ドイツの飛行場に入って荷物検査を受けるとき、出国検査を受けるとき、搭乗口でフライトチケットと一緒に見せるパスポート。これはすべてドイツのパスポート。

日本の飛行場についてからのパスポート

ド イツの飛行場でドイツのパスポートで出国したからといって、日本入国にドイツのパスポートを使う必要はありません。(3ヶ月以内の滞在なら、ドイツのパス ポートでドイツ人として出入国することもできます)日本に入国の際は、日本のパスポートを所有しているなら日本のパスポートで日本人として入国審査を通過 します。

ここで大切なのがパスポートの入国スタンプ。自動ゲートで入国してもかならず親も子もスタンプをもらいましょう。日本で住民登録する場合にはこのスタンプが海外からの転入の確認として不可欠です。将来入国審査の厳しい国に行くことになった場合にパスポートのスタンプがあると非常に便利です。

日本からドイツに戻るときのパスポート

日本滞在が終わって、日本を出国するときにはドイツのパスポートではなく日本のパスポートで出国します。出国審査以外のパスポートとは名前の表記が同じならドイツでも日本でもどちらか片方でだいじょうぶです。

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