ドイツのテレビ局ARDが安倍晋三首相のメディアへの圧力を報道

スポンサーリンク

ドイツの新聞テレビはあまり熱心にチェックしてないんですけど、最新ニュースの見出しだけブラウザーでチェックしてます。そこにあらわれた

“Japans Premier Abe setzt Medien unter Druck(日本の安倍首相がメディアに圧力)”の見出し。

いつまでこのリンクで読めるのか分かりませんがURLアドレス貼っておきます。
http://www.tagesschau.de/ausland/japan-zensur-101.html

冒頭はテレビ朝日の報道ステーションの1件について。”長年、政治コメンテーターをつとめる古賀茂明氏が、最近「I am not Abe」というボードをカメラに掲げた。”ことを取り上げて、これが一大センセーションを巻き起こしたとかかれてます。

“I am not Abe”の意味は”Ich bin nicht Abe”とわざわざ英語で説明されているところが変にツボだったりするんですけど、そうですよね、わかんない人にはわかりませんもの。

安倍政権が右よりに突っ走っている感は日本のニュースやインターネット上の情報でドイツ暮らしでも伝わっていましたが、こんな風にドイツで公共放送のARDでニュースで報道されるのをみると胸が痛いです。

胸が痛いっていうのともなんか違うかな。たとえて言うなら、みんなに知られてなかった親戚の素行が明るみに出ちゃった、みたいな。

これでドイツの安倍政権に対する批判的な路線が確定したっていうのもドイツ在住日本人としては複雑です。

ARDなんかでこうやって報道されてしまったらもちろん一般ドイツ人の知るところとなり、最近の日本の政治やメディアの問題についてドイツに住む人たちにいろいろ聞かれて議論をさせられ矢面に立たされる。外国人に住んでるだけの普通の日本人なのにありとあらゆる人たちに意見を聞かれ、批判を聞かされる。

事が大きくなればなるほど、近所でも、ママ友にも、お店でも、職場でも、カフェでも、気軽なホームパーティでも知らない人でも、日本人と知られればところかまわず話題に上がって議論になるわけですよ。100回でも1000回でも。

友達やご近所さんにはドイツ人もいれば、中国人、韓国人、トルコ人、ロシア人、シリア人、ウクライナ人、ルーマニア人、イタリア人、スペイン人等々、かけないくらい沢山の国籍の人がいる。

そんな人たちからいまの日本の政治について意見を聞かれるこの辛さ。外国人としていやな目に会うことはたまにあっても、わたしの環境では滅多にないことだし、日本で行われてるヘイトスピーチなんてありえない。本屋に「嫌日本」が平積みなんてことはいまの政治では絶対にない国なんですドイツ連邦共和国は。

外国人とドイツ人の権利は同じではないけど、ドイツは日本と比べてかなり寛容にいろんな権利が保障されていて暮らしやすい国です。わたしの場合、タダ同然で何年も大学に行かせてもらったので恩もあります。子供手当ても育児休暇も医療保険も素晴らしいです。

そこに来てこの戦争イケイケムードの安倍政権の政治について日本人として意見を聞かれるって、、、。福島の話題だってまだぜんぜん落ち着いてないのに。あれ、かなり脱線しつつあります。

とりあえずドイツのARDニュースで取り上げられたことは、安倍政権よりも古賀氏の行動を応援したいと思うわたしにとっては嬉しいことでもあるんです。

実際、ネットで読んでいる限り大手新聞社の報道姿勢には震災以来うんざりしてます。首相や大臣の答弁もバカらしい、答えになってない、ふざけるな、と思います。この報道を見て、祖国日本がいつの間にかこんなになってしまって。。。と思わずにはいられない。目の前に悲惨な日本の現実を、改めてあいまいさの少ないドイツ語できっぱりと突きつけられたこの衝撃。

ドイツ在住のわたしにできることは在外選挙くらいしかありませんが、投票できる選挙には必ず反自民、反原発で投票させていただきます。

長くなりましたが、以下すごい適当ですけど、報道内容をざっと書いときます。適当で飛び飛びなので、もっとちゃんと訳してくれているサイトがあったらぜひリンクをコメントで教えてください。

政治は常にメディアに干渉する云々という武蔵大学の社会学者、永田浩三氏のTV朝日とTBSへの政治からの圧力についてのコメント。

安倍政権のメディアへの圧力はテレビだけではない。朝日新聞では8月に従軍慰安婦についての記述で騒動が起きた。

メルケル首相は東京の朝日新聞で発表した談話の中でドイツの歴史問題へ取り組みと、隣国との関わり方について触れた。

安倍首相は日本の歴史を書き換えようとしている。公共放送のNHKは2014年はじめに「政権が右といえば右、左とはいえない」と発言。

それ以来NHKは天気とスポーツと事件犯罪などを報道し、政治については政権よりの報道しかしていない。だからメルケル首相の談話を発表した場所、朝日新聞社も、談話の中の自己責任でというメルケル首相の忠告も報道されなかった。

メディアだけでなく、教材も安倍政権の態度にあわせて書き換えられた。

従軍慰安婦報道をめぐるメディアの問題、それに極度に繊細な安倍政権の態度。永田教授のコメント、「今日の日本の報道は憂うべく状態です。ほとんどが安倍政権の手先です。日本人は世界で最もニュースを消費しているが、そこから民主主義は育ちません。現代の日本人は緊張や対立を避けます。危険であれば他者から排除されるのです。それは社会のなかだけではなく、メディアの中でも特に顕著に見られます。」

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. 沙羅 より:

    いい記事でした…ネットのニュースとかも手先ばっかりで日本右翼しかいなくなってるのか?と思います…
    報道に圧力かけないならいいんですけどね…選択の余地なしですもん今…

    知識ない若い層が右翼的になるの見てて辛いです…韓国人ヘイトとかも本当嫌…

    • AKO より:

      確かに無防備な若い世代にヘイトが刷り込まれるのはとても辛いですね。この記事を書いたときよりも状況は悪化しているような気もしますが、地道に前向きに生きてゆきたいです。

  2. チニミニ より:

    いつも楽しく拝読しております。
    私はバイエルン州のオーストリアとの国境付近に2年程住んでおりますが。周りのドイツ人達は、とめどない難民の受け入れに、反政府感情を爆発させています。しかし、これらは地元新聞でもほとんど報道されることが少ない、というのが現状です。電車は警察の検問(難民が貨物列車に隠れ入国を試みるため)で朝、夕の通勤時間は不通になります。良い顔したさに政府から問題を丸投げされた地方自治体、市民…拾うべき声は拾って、政策に還元していただきたいものです…

    話はそれましたが、私はドイツメディアの圧力の方が根が深いと感じております。

    まだドイツ生活ひよっこが、失礼しました!

    • AKO より:

      チニミニさん、コメントありがとうございます。DBはすぐ止まったり遅れたりするからドイツの電車を日常的に利用する人は大変だけど、そこに検問もあると大変そうです。ドイツでそんなに毎日熱心に検問やってるところがあるなんて初耳。毎回パスポート見せたり質問に答えたりしないといけないんですか?外国籍だと長引いたりしそうで面倒そう。

      ドイツメディアの圧力の根が深い、とおっしゃるということは、ドイツ語でニュースを読まれているんですか?わたしはこのところ忙しいのでドイツの新聞はオンラインで見出しに目を通すぐらいです。だから現在のドイツメディアの「圧力」のことはよく分かりません。

      こちらにも難民はけっこう来ていますが、ちゃんと割り振られてきてるせいか、難民に否定的なことを言うドイツ人もまわりにはいません。BW州では元から外国人の割合が50%ぐらいいるので、難民なのかそうでないのか分からない人たちも多いです。アジアっぽい外見の難民の方もすこしいるので、自分が難民だと思われないような格好で外出しないとな、と思ってます。