残念ながら福島原発の事故が起こって、日本の国土も放射能汚染が広がってしまいましたが、ドイツもまだまだチェルノブイリの影響がはっきりと残っています。
1986年4月26日にチェルノブイリ原発で事故が起こりました。大量に放出された放射性物質は約1300kmはなれたドイツまで風に乗って流れ4月30日から5月1日にドイツに届き、一部地域では雨によって国土が高濃度で汚染されたのです。5月1日は休日でとても天気のよい気だったため、多くの国民が外で過ごし、家族で芝生の上でピクニックをしたり、森でハイキングをしたりしていたそうです。
その日多くの放射性物質が大気中に含まれていたこと、一部では雨で地上に落下していたことを国民が知ったのはその後のことでした。現在30代~40代のドイツ人にチェルノブイリのことを聞くと、自分もあの日は外に出ていたから被爆したはず、という人が多いですし、その後しばらく砂遊びをしないように言われたことをよく覚えている、ミルクを飲ませてもらえなくなった、など具体的に自分の体験として語ってくれます。
30代以上のドイツ人にとってチェルノブイリが過去のことではないから、ドイツ人は日本の放射能のことについても敏感な人が多いのです。
ドイツでは現在も日々の放射線の値を計測してインターネット上で発表し続けています。
Radioaktivitätsmessnetz des Bundesamtes für Strahlenschutz
こちらは1986年のセシウム137の土壌汚染を記録した地図です。
南ドイツの汚染が高い地域で森のベリー類やきのこ、野生のイノシシや鹿の肉を食べたりするのは避けたほうがよいと福島原発の事故以前にもドイツ人の友人に言われたことがあります。
放射能汚染をどう受け止めるのか、どのように考えるのかは個人の自由だと思います。でもドイツで生活するうえで知識としてドイツのチェルノブイリ原発事故により汚染状況は知っておいたほうがよいかと思ったので記事にしてみました。