万年筆は小学2年生からの必需品

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ドイツと日本の小学校で違うことはいろいろありますが、わたしが驚いたのは、小学生から万年筆を使うこと。2年生になってドイツ語の授業で筆記体を一通り習ったら、先生から手作りの「運転免許証」のような「万年筆許可証」みたいなものをもらってきます。

その後はドイツ語でも、算数でも、万年筆を普通のワークブックの記入などにも使うようになります。

算数の計算問題なんかにも使うので、日本の小中高と学校では鉛筆かシャーペンで好きなだけ消して書き直せることに慣れたわたしには「まさか!?」とちょっと信じられませんでした。

日本でも3年生からお習字の授業で墨と筆で書いたりもしますが、その日は汚れてもいい服を着ていったりしますよね。でもドイツの2〜4年生は普通の筆記用具として毎日万年筆を使っているんです。

特に使い始めは万年筆で遊んでインクをこぼすこともあるので、小学2年生に万年筆を普段使いさせるっていうのにはわたしは今でも慣れなくて、ドイツの小学校って変とひそかに思っています。

小学2年生のクリスマス頃から万年筆

子供に万年筆というと日本人のわたしには馴染みがなくて何を買ったらいいのかさっぱり分かりませんでした。

調べてみると、小学生の使う万年筆は、初心者が書きやすいよう、ペン先が壊れにくく、小さな手でも扱いやすいように作ってあるらしく、ドイツでは子供用の万年筆というものが販売されています。

実際にその万年筆はギムナジウムでも使うし、大学生になってもそのまま愛用している人も珍しくありません。わたしが使ってみても普通に書きやすい(ペン先は太いから漢字の小さな文字は書きにくいけど)ので、10年ぐらいは使えてしまう実に耐久性の優れた万年筆みたいです。

der Füller (万年筆)

小学校用の万年筆は、一般的に、LAMY, Pelikanが2大メーカーという感じで値段は10€前後です。LAMYのこの赤で木のタイプは昔からあるらしく、「自分もはじめての万年筆はこれを使った」というパパやママは多くて今でも人気だそうです。(プラスチックが青のタイプもあります。)

LAMY子供用万年筆

https://www.lamy.com/content/produkte/schreibsystem_infos/schulfueller/index_ger.html#markenwelt

ペリカンの子供用万年筆

https://www.pelikan.com/pulse/Pulsar/de_DE.Store.displayStore.210821./schreiben-mit-pelikan

万年筆は、2年生のクリスマスにおじいちゃんやおばあちゃんからプレゼントされることも多いのだとか。うちも、おばあちゃんが「はじめての万年筆はお金を出してあげるから子供の好きなのを買ってあげて」言うので、お店ですこし高級な子供用万年筆があるのかと聞いてみましたが「ありません」と即答されました。(日本だとありそうですけどね。)

文房具屋の万年筆コーナーのおばちゃんが言うことには、小学生の万年筆初心者用に販売されている万年筆は、子供でも書きやすく丈夫なペン先が使われているとのことでした。だからいくらジジババのプレゼントだからといって、高級な大人用は与えない方がいいみたいです。

その後の子供の使い方を見ていても、7歳や8歳の子に買い与える万年筆なので10€前後は至極妥当だと思います。

万年筆に必要なインクのあれこれ

自分が小学校で万年筆を使ったことがないので一体何をどうしたらいいのか分からない、というのは万年筆のインクも同じ。インクカートリッジは万年筆のメーカーによって違うので、まずは子供に買ってあげた万年筆のメーカーのカートリッジを買ってあげないといけません。

インクの色はkönigsblau

インクは黒かと思っていましたが、ドイツの学校で使うインクの標準色はkönigsblauという濃紺と決まっているそうです。(BW州のうちの子のドイツの公立学校はそうです。)

万年筆のインクには、使い捨てのインクカートリッジと、インクを補充して繰り返し使えるコンバーター(Konverter)がありますが、小学生の子供はインクカートリッジを使うのが普通です。値段はもちろんコンバーターのほうが割安です。

カートリッジを使っていても、まだ幼いので小学生が万年筆のインクをこぼす事故というのはけっこうな頻度で起こるらしく、学校で誰がインクまみれになった、という話はちらほら聞きます。先生は大変ですね。

うちの子には、最初にパパが万年筆のインクがこぼれるといかに悲惨なことになるかを説明して、カートリッジの取り替え方などを説明していました。それでもうちの子もインクをこぼしたことあります。

筆箱には必ず予備のインクを

小学校で子供が使う万年筆は、太書きだし、字の大きさが大きいということもあって、意外と早くなくなります。最初に万年筆をもらったとき、必ず予備にインクカートリッジを筆箱の中に入れて置くように、と子供はパパに言われていました。

また、インクが切れたのに予備のカートリッジを持っていない子には、カートリッジが同じ形なら自分の予備をあげてもいいけど、必ず返してもらうように、とも言われていました。

大学生のタバコとかもそうなんですが、度々人にあげていると「この人からはもらえる」と思われてしまって、みんなに当然のようにせびられるようになります。万年筆のカートリッジは高額でもないけど、5本で2€弱ですから安いものでもありません。

インク消しは使ってはいけないという先生も

間違えないようによく考えて書き、間違えたら線を引いて消して書き直すべき、という理由で、小学生の間はTintenkiller(インク消し)の使用を禁止している先生が多いそうです。

うちの子の小学校の先生は、使いたかったら使っていいという人なので、子供は万年筆を買ってもらってすぐにインク消しも欲しいと言い出しました。

インク消しには、消すペンと、消したところの上から書くペンが1本の両側についています。インクを消すときは、線の上だけをなぞるようにして間違いを消し、なるべく他のところにインク消しがつかないように使います。

Frixionは高学年では使っていいところも

パイロットから出ている消せるボールペンのフリクションもドイツの文房具店で普通に買えるのですが、小学生で使っているという話は聞いたことがありません。

5年生以上になると次の学校に行きますが、ギムナジウムでは学校というか先生によっては使っていいそうです。

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