ドイツで暮らしていて最初の頃はよく分からなかったドイツ人の生活の1年の流れ。そのなかでも8月の休暇シーズンというのが自分にあまり関係がなかったこともあって、よくわかりませんでした。
休暇はドイツ人の生きがい
稀に出不精で休暇の時期も家で過ごすのが好き、というドイツ人だっているにはいます。でも多くのドイツ人にとって休暇は当然の権利であり、その後また元気に働くために不可欠な休み。期間は色々ですが、1週間でも2週間でも日常を離れてのんびり過ごすのが多くのドイツ人の休暇の過ごし方です。
夏はドイツでも日照時間が長くそれなりに暑くなることが多いのですが、とにかく太陽や海や自然を求めてギリシャ、イタリア、スペイン、フランス等々、ドイツ国内の観光地だけでなく周辺各国に出かけていきます。もちろん人によってはタイやブラジルなど国外に行くこともあります。(ただしドイツでは男性ひとりでタイに行く、というと売春旅行のイメージがあります。)
休暇の時期を知っておかないと困ることがある
日本のお盆は短期間で終わりますが、ドイツの夏の休暇はそれが1ヶ月ほど続きます。子供だけじゃなく、大人もそんな単位でまとめて有給休暇を取るのですから、たぶん普通の日本人には想像を絶する環境です。
子供がいる暮らしでも、学校に入るまではよく分かりません。でも小学校に入ると世の中の流れがだいぶ分かるようになると思います。というのも、ドイツ社会は学校が休みに入る時期、Schulferienに大きく左右されているからです。
Schulferienというのは、ドイツでは週ごとに違います。詳しくは下のサイトの表をご覧ください。
http://www.schulferien.org/
市立の幼稚園や保育園の夏休みは市によって違います。同じ州でも隣町の幼稚園とは夏休みの期間が2週間ずれている、とかいうことも普通です。義務教育なので授業のあるときに休んで旅行に行くなんてことが許されない学校と違って幼稚園と保育園は遊んでいるだけなのでいつ休んでも
休暇シーズン中には小中学生のいる家庭は大体どこかに旅行に行くか、親の仕事が子供の休みにあわせて休めないときは子供を夏休みの各種プログラム(全日)に参加させる人が多いので、子供たちは毎日朝から出かけてしまって夕方に帰ってきます。このようなプログラムは6月とかに申し込みがあって、申し込み開始と同時にすぐに満員になります。
ドイツの夏休みシーズンの変化
8月はドイツ全土で夏休み真っ只中。各地で雰囲気は違うと思いますが、わたしが感じる夏休みを列挙してみましょう。
- アウトバーンや地元の道路がやたらと工事中(休暇シーズンは工事シーズン)
- 外で遊んでいる子供が普段より少ない(たぶん休暇で旅行中)
- バスが夏休み運転で路線によっては本数が少ないか運休
- ドイツ人に人気の観光地は大賑わい(目立つのは団体の年金生活者)
- 街中が普段と違って夏休みモード(この時期の生活の不便は仕方がない)
- 人気観光地の宿泊施設やリゾートなどは予約が込むし料金も高い
もっとありそうだけど今思いつくのはこんなところ。道路工事がくせもので、車で移動するときは気をつけないと道路が工事中で斜線幅がやたらと狭いくらいならまだしも、片道封鎖とか、なんだったら工事区間が前面封鎖で迂回とか。かなり不便です。
工事は道路だけじゃなく、鉄道でもあって、目的地の駅のホームが工事中で降りられないとかいうこともありますから困ります。旅行で来るなら日本人に人気の観光地が込んでいたり料金が高かったりする程度でそれほど困ることはないかと思います。そういうところなら駅の工事もシーズンを避けるはずですし。
でも、留学や就職でドイツに来る準備をしている方は、この時期のドイツは夏休みモードでとりあえず社会の機能が維持できる程度にしかドイツ全体が動いていないということを知っておいたほうが余計なストレスが減るかもしれません。
休暇シーズンは泥棒の稼ぎ時
ドイツでも大きな庭付きの一軒家が並んでいるような高級住宅街は泥棒に狙われやすくなります。特に多くの人が出かけてしまって沢山の家が同時に留守になることが多い休暇シーズンは泥棒にとって絶好の稼ぎ時。
時間がくれば家の中の電気がつくようになていたり、一定の時間で窓のシャッターが下りたり上がったり、それなりに工夫をする家も沢山ありますが、高級な地区に住んでいて泥棒に入られたという話はよく聞きます。一般的に沢山の家族が同じ建物に住むマンションよりは一軒家やDoppelhausなどのほうが泥棒が入りやすいようです。素人が考えてもそのほうが誰かと鉢合わせする確率が違いそうですからね。
比較的治安のよいドイツですが、泥棒に入られるのは物騒で嫌です。特に子供がいるとなおさら。庭付き一戸建てに住んでいる場合、死角を作りそうな庭木は切ってしまったり、窓やドアをしっかりした物に取り替えたり、ある程度の工夫や対策はやっておいたほうがよいでしょう。