寒冷地出身ではないのでよく分からないのですが、日本語では凍結した路面をアイスバーンなどと言うそうです。ドイツ語から来てるっぽいですが、ドイツ語では路面凍結はアイスバーンとは言いません。
凍結した路面は、Glatteisと言います。グラットアイス、つるつるに凍った路面はとても危険で、そういう日には、車、自転車、歩行者、軽い転倒事故から重大事故まで、大騒ぎです。
http://www.wetter.de/deutschland/glatteis-karte-deutschland-c49.html
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凍った路面は危険で油断は大怪我の元
路面凍結をナメていると、大怪我をします。日本人の知人は足首の捻挫、骨折、何人もいます。いちばんひどかった人は腰の骨にひびが入って、かなり長い間自宅安静の生活を送りました。
雨が地上で瞬時に凍るBlitzeis(ブリッツ・アイス)
今年の冬はドイツ各地でBlitzeisが発生しました。これは、氷点下に冷え込んだ後に、気温が急に上がって雨が降ったときに起こります。地面や、車など、地上のものはすべて氷点下に冷やされているところに、雨が降るとどうなるか。雨がそのまま凍って、濡れたところがツルツルの氷に覆われてしまうのです。
氷に覆われてしまえば、Glatteisなのですが、Blitzeisの嫌なところはそれが一瞬の雨で起こること。Blitzは雷光という意味ですが、まさに一瞬の出来事なのです。
Blitzeisが起こる条件は特殊なので、毎年起こるわけではありません。今年、2017年にドイツ各地で観測されましたが、その前はわたしの記憶では2009年でした。
出かける前に分かっていればよいのですが、場合によってはアウトバーンを走行中に急に雨が降って路面が凍結したりしますから、外気温が氷点下で急に雨が降ってきた場合などは気をつけなければいけません。
一見して凍っているように見えないGlatteis
サクサクと雪が積もっているだけならば、それほど転倒の恐れはないし、踏み固められた雪や、溶けかけた雪が凍っている場所も、見れば気をつけなければいけないということが分かります。
でも、路面が濡れているように見えてツルツルに凍結していることがあります。
今回のGlatteisがそうでした。おそらく夜中にBlitzeisとして凍ったのだと思います。路上に駐車された車の表面にも雨が流れてそのまま凍ったような氷が数ミリの厚さでびっしりついていましたから。
この上の画像の地面、一見ただ濡れているだけに見えます。実はこれが前面凍結しているツルツルの状態なんです。
前に少しだけ写っている白い車のガラスを近くで見てみると、こういう状態。雨が降ってそのまま凍り、氷が数ミリの厚さになっていることが分かるでしょうか?
路上駐車していた車の持ち主たちは、霜と同じように、この氷をガリガリと削ってから車を動かしていましたが、霜よりも大変そうに見えました。(うちは屋根のある駐車場なのでこういう苦労はありません。)
坂道に面した歩道(公道)がある家などは、スリップ防止に小石を撒いたりしてはいるのですが、それでも雪と違ってよほど気をつけないと滑って転んでしまいます。
下の写真、真ん中に溶け残った雪が残っているから、一見するとここが滑るように見えます。でも、滑るのはこの左右の雪のない部分。ここが前面凍っているんです。だから、この道は真ん中の雪が残っているところのほうが、滑り止めの砂利が食い込んで歩きやすかったです。(いつもそうだとは限りません。)
近所では、親が凍結に気づかずに、普通に小学生の子供をキックボードで送り出したら、家を出てすぐに思い切り転倒してしまいました。歩道を歩くのさえ危険だったので、別の親が子供たちを車に乗せて小学校に連れて行ってくれました。(車の多い車道は融雪材が撒かれていてあまり凍結していなかったので。)
滑りやすいところではペンギン歩き
歩けないぐらいツルツルのところに出てしまったら、まずはどこが一番すべらなそうかよく確認して注意深く歩くところを選びます。道の端に落ち葉や砂利が溜まっていたら、そちらのほうが歩きやすいこともあります。
氷の上しかすすめないときには、ペンギンのようなイメージで歩け、とドイツではよく言います。子供に言うと、手もペンギンの真似をして歩きますが、要するに小さな歩幅で、地面を蹴るというよりは、一歩一歩地面を真下に踏みしめるようなイメージで歩きます。
長い柄の傘を杖代わりにしても少しは安定するし、手すりや柵につかまったりして、とにかく転ばないように歩きます。