マイナス15度―ドイツで最も寒い冬の気温

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今年はドイツだけでなく、スイスやオーストリアも暖冬で雪不足のところが多く、クリスマス休暇にスキーに出かけた人たちは雪が少なくて大変だったと聞きます。

でも低気圧のおかげで、雨ばかりで雪がほとんど降らなかったドイツにも雪が積もり、今度は寒気がやってくるそうです。一部の地域を除いてドイツは雪が積もることが珍しい都市が多いので、真っ白な雪が積もるとドイツ人たちは嬉しそう。

朝の雪かきが面倒だ(義務です)とか、車の運転が危なくて嫌だとか、愚痴もよく聞きますが、雨は嫌いでも雪はけっこう好きというドイツ人は多そうです。

マイナス15度はドイツでも南の山岳地帯以外では珍しい

これから気温がぐんぐん下がって、今晩と明日の朝までドイツ中部から南部にかけて氷点下10度以下、場所によっては氷点下15度以下に冷え込む予報。ドイツ南部のうちの地方もマイナス10度ほどの予報になっています。

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https://www.daserste.de/information/nachrichten-wetter/wetter/index.html

ベルリン、ハンブルク、キール、ロストックなど北ドイツの都市はそれほど下がらないようですが、中部から南部にかけてはドイツの冬として最も寒いといってよい気温です。ドイツは元々南のほうが標高が高いこともあって、南ほど寒くなることが多いのです。

夜の間にマイナス9度ぐらいまでなら日中は0度以上になることも多いので、ものすごく寒いという感じでもありません。でもマイナス10度を下回ると、いくら夜中でもドイツ南部でもかなり寒いね、という感じになります。マイナス15度ともなると、数年に1度の寒さ。予報でそんな気温を見るとみんな少々興奮気味になるぐらい珍しいです。

マイナス15度の世界

夜中に氷点下10度以下、日中も零下の気温が2週間ほど続くと池が凍って上を歩けたりするようになるんですけど、今回はどうやらまたすぐに寒さがゆるむもようです。前回、寒波が来てマイナス15度になったときは2012年だったかと思いますが、池どころか川も凍って、凍った川を歩いている人たちもいました。(川や湖の氷の上を歩くのはよほど厚い氷でなければ危険です)

スキーやスノボが趣味とか、北海道から来たという人でなければ、このマイナス15度の寒さを日本で体験したことのある人は少ないと思います。マイナス10度以下はわたしは日本では一度も体験したことがありませんでした。

服や靴や帽子手袋などの装備がしっかりしていれば、マイナス10度までならそれほど寒いと感じないのですが、マイナス10度を下回ると何をどうしても寒いです。

マイナス15度ともなると、全身しっかり防寒していても、30分ほど外を歩いていれば足先が冷えてきたり、手がこごえたり。外に出て顔に外気が当たるとビリビリとする感じがします。

寒波がきてマイナス15度になった年(2018年追記)

わたしが住む町では、2009年、2012年、2016年、2018年にマイナス15度を記録しました。こうやって見るとけっこう頻繁ですね。とはいってもそれが何日も続いて大きな川まで凍るのは数年~10年に1度で、普通は長くても3日間~1週間ほどです。

年内にマイナス10度を超える寒さが来ることは稀で、普通は2月~3月にかけてそのような厳しい寒さがきます。

マイナス15度の世界

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いままでドイツで暮らしていてわたしが体験したいちばん寒かったときの気温がマイナス15度。ドイツでここまで冷えたのはまだ2、3回しか体験していません。マイナス10度以下の気温を体験すると、その後、気温がマイナス5度ぐらいまで上がるとすべてがふんわり暖かいというか、安心する暖かさの寒さ(?)だなと感じます。

マイナス10度を越えて気温が下がると、古い家では水道管の破裂などに気をつけないといけませんし、無駄な外出は控えるなど生活に支障が出るぐらい寒いので、すこし気をつけないといけなくなります。マイナス10度以内ならわりと普通に生活できます。

外出は最低限、完全防寒で

日中にマイナス10度以下になったら、小さな赤ちゃんや子供がいるときは大事な用がなければ長く外を歩くのはやめたほうがよいと思います。バギーやベビーカーはお尻と背中側も冷えるので、しっかりしたフットマフは必須。(バギーで座っている子供も冷えると膀胱炎になったりします。)

ベビーカーやバギーに敷く羊毛の毛皮もマイナス10度以下ならあったほうがよいです。というか、この寒さではしっかり防寒しても乳幼児の外出は最低限で。

普段は内側がフリースのフットマフを使っていますが、毛皮は持っていないので、うちでは特別寒い日には子供にスキーウエアを着せてからベビーカーに乗せます。特別寒い日にはさらにフリースの毛布をかけることもあります。

歩けるようになっているお子さんは暖かいジャンバーと下半身も防寒着、あたたかい冬用ブーツ、手袋、帽子で完全装備です。体が小さい子供は全体が冷えてしまうのも早いです。

ドイツの防寒着は首まわりもしっかり閉まるものが多いので、マフラーは必須ではありません。幼児だと長いマフラーが危ないこともあるし、マフラーを嫌がる子供もいます。

靴はとても大切です。中綿が入っていて、防水で、雪や凍結した路面でも滑りにくい靴を選んであげてください。冬の凍結した路面をなめてはいけません。ドイツで冬に転んで怪我をする日本人がまわりに多いので、靴選びは大人も真剣にしたほうがよいです。

帽子は耳までしっかりカバーできるもの。ドイツ人、特に年配のドイツ人は普段から冬は子供の耳を覆うように気にします。帽子も日本人がおしゃれでかぶる薄いニット帽などは防寒としてはまったく役に立ちません。表地は何でもよいのですが、内側がフリースなど2重になっていないと、穴が沢山開いた手編みの毛糸の帽子などでは風が通って寒いです。

手袋も同じで、防風機能のある生地でないと風が入ってすぐに冷えます。ジャンパーも首周り、袖口などがしっかり閉まるタイプでないと寒気が入ってきてしまいます。日本製のダウンコートなどは値段が高いものでも首周り、袖口のしまりが甘いものが多いです。その点H&Mなどは安くてもさすが防寒の重要ポイントはしっかり押さえて冬用コートやジャンパーを作っています。日本から持ってきた服では寒いと感じたら、ドイツで買いなおすべきです。

日中もマイナス数度になるぐらい寒いと、普段着にスキーウェアを着てくる子もいます。つなぎでもセパレーツでもどちらも着ている子がいます。普通のジャンパーではいくらズボンの下にタイツをはいても寒いので、上からさらに着ないと寒いからです。タイツとズボンの上から、さらにフリース裏地のRegenhoseや中綿のスキーズボンのようなÜberziehhoseをはかせたりもします。

とはいえ、ドイツ人もしっかり防寒する人はしますが、若い人なんかは腰までのジャンパーとジーンズにスニーカーでものすごく寒そうに歩いていたりする人も沢山います。特に車で移動する人たちは、かなり寒そうな格好で駐車場から目的地まで歩いていることが多いです。

しっかり防寒対策をするのは外を徒歩や自転車で移動する子供と、中年以降なのかもしれません。(つまり若い人にはダサい、と思われてるのかもしれません。)

家の中の防寒対策

ドイツの家は完全暖房で2重のガラスや断熱を施した壁や屋根を備えた家が多いので、寒波がきても窓や戸を閉めて暖房さえ使っていれば家の中がそれほど寒くなることはありません。特にマンションのように集合住宅で周りにも住宅がくっついている場合は全体が温まっているのであまり寒くなることがありません。

でも古い住宅で断熱がしっかりしていない家はけっこう寒くなりますし、一軒家やマンションの地階の住宅、最上階なども冷えやすいようです。足が冷えるので暖かい毛皮の部屋履きが人気だったりもしますが、新しく断熱がよい家ではそういうものも必要ないぐらい暖かいです。

隙間風を防いで暖房を逃がさない

ガラスは2重になっていて、窓はしっかりしまっていても、窓枠やドアの下から冷たい隙間風が入ることがあります。ドアの下の隙間風(Zugluft)を防ぐのにはZugluftstopperというドアの下に置くぬいぐるみのようなものや、ドアに貼り付けたり、挟み込んだりして風を防ぐ道具がホームセンターなどで売られています。

ドアや窓の枠からの隙間風を防ぐ(減らす)には、枠に貼るGummidichtung für Fenster und Türenというゴムのテープが便利です。安っぽいテープのわりに、10ユーロ以上してそれほど安くないのですが、外気温が低いと窓や戸を閉めていても隙間風がヒューヒュー入るような場合は手軽に貼るだけで対策できるので便利です。

凍ってしまった生ゴミは回収されない

夜中にマイナス10度以下、日中も0度以下の日が何日か続くと池などは10センチほどの厚さの氷が張ったりします。

そこから考えれば分かることなのですが、共同のゴミ置き場が外にあると、生ゴミ(Biomüll)の中身がすっかり凍って固まりになってしまうことがあります。外側を丁寧に暖めて出せば出るのでしょうが、そのままではゴミ箱に張り付いているので簡単には出せなくなります。

こうなると回収の人たちもどうしようもないので、収集車は回収せずに行ってしまいます。凍っていて回収できません、というシールが貼られて次回の収集日までそのまま。夏と違って蛆虫がわく、臭い、ということはないにしてもゴミ箱は一杯になるので困ります。

回収してもらいたいなら、ゴミ回収の日の前日に建物の中の気温がマイナスにならない場所にゴミ箱を移動させておいて、朝になってから外に出すなど工夫をしないといけません。

ドイツは雪国ではない

緯度が高い北国ではありますが、ドイツは雪国ではありません。黒い森の地方や、バイエルンの南などで雪が多い地域はあるのですが、ドイツ一般の都市はまったく雪に慣れていません。

雪が10cmも積もればバスや鉄道のダイヤは乱れるし、遅れたり来なかったりすることもあります。道路も事故は増えるし、渋滞したり大混乱です。その日でないといけない、というのであれば別の日に予定をずらしたほうがよいかもしれません。どうしても車で出かける場合は立ち往生したときのために毛布や水や暖かい飲み物や食料を用意しましょう。

特に子連れで雪の日に電車や車で長距離を移動をしなくてはいけない方は、食べ物、飲み物、オムツなどは多めに用意するのがよいでしょう。

雪だけでなく路面が凍結したときはさらに注意

元々寒いときに雪が降った状態で気温がぐっと下がったなら交通は問題ないのですが、解けかけた雪や、元々冷え込んだ路面に雨が降って凍結するときが大変危険です。

マイナス10度などの後、大気の気温が急激に上がって雨が降ると、降った雨がそのまま氷になって道路も何もかもツルツルの氷になることがあります。これをBlitzeisというのですが、文字通り一瞬にして辺り一面に氷が張るので、交通事故が多発します。道路の一定区間だけがそういう危ない状態になっていることもあるのです。

一旦溶けかけた雪(Schneematsch)が凍ったり、霙や雨交じりの雪(Eisregen)が降った直後に寒気が入って路面が凍結して、危険な状態になることもあります。

氷で滑る路面をGlateisと言います。靴底のつるつるな革靴で歩くよりは車のほうが滑りにくくはなりますが、つるつるになると冬用タイヤでもスリップして危険ですから、そんな時の外出は控えましょう。徒歩でも辺り一面ツルツルの氷でまともに歩けないような状態になるときもあります。

凍結防止剤を撒いてある道路

州によって凍結防止剤が使われているところと、禁止されているところがあるようです。使用を認められている地域では、雪が積もり始めると、主要道路には車で凍結防止剤を散布、歩道にも住民が自分で撒いたりします。

そういう道路を見て、車で外出すると、坂道が多い郊外の町や村で立ち往生したり、行きたい場所に行けなかったりすることがあります。歩道は住民が除雪しますが、道路までやらないからです。雪の積もった時期に郊外の友人宅などを車で訪ねるのであれば、最初に道の状態をよく確認してから出発したほうがよいですよ。

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