9-Euro-Ticketでドイツのバス電車が乗り放題

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ロシア・ウクライナ情勢の影響でガソリン代の高騰に嘆く声が広がるドイツですが、2022年6月1日から3ヶ月の期間限定で、「9ユーロチケット」という特別定期券が試験的に発売されます。

そもそも9-Euro-Ticketって何?

その名前の通り9ユーロのチケットで、2022年6月から8月末までの3ヶ月間だけドイツ全国で購入・利用できます。

買うときに名前が入るので他人や家族で貸し借りはできせん。DBアプリも対応予定だとか。また、子供料金は設定されていないため、利用したければ6歳以上のすべての人が同じ9ユーロでチケットを購入しなければなりません。

つまり名前を記入したチケットをアプリか紙で所有して、かつ身分証明書を持っていないといけないことになります。(大人は身分証明書、5年生以上の子供は学生証を持っているからいいとして、小学生がひとりで地元のバスや電車に乗る時はどうするんですかね?)

9ユーロチケットは、月ごとに新しく購入する必要があり、6月有効、7月有効、8月有効のチケットが発売されます。つまり、6月1日から買っても15日から買っても月末には失効するので月初の1日から利用するのが最大限にお得。

乗れる乗り物の種類は、バスや電車などのローカル線限定で、ICEやICなど特別料金の電車には乗れません。ファーストクラスにもアップグレードできません。船や特別な路線のバスなどは地元の交通機関で直接調べないとわかりません。

留学生もドイツ旅行者も誰でも利用可能

本来の目的は車で通勤・通学しているドイツ国内の人たちに公共交通機関を試してもらおう、というものだったという話ですが、だからといって購入にドイツ国籍が必要な訳でもなく、滞在許可証を見せろと言われることもありません。切符が必要になる6歳以上の人なら誰でも簡単に購入して利用できます。

ローカルの鉄道会社によって規定が異なる可能性あり

地域でいろいろ規則が違うことの多いドイツですが、この9ユーロチケットもそのようです。例えばこちら、BW州、Stuttgart近郊のバスと鉄道を運営するVVS (SSB)の情報サイト。

https://www.ssb-ag.de/tickets/9-euro-ticket/

VVSの説明だと、9ユーロチケットでVVSネットワークエリア内は犬を連れて乗るのは無料、自転車も乗せられるとなっています。ただし、エリア外では無効と。

子供についても、6歳以上の子供は大人と同じ9ユーロチケットを自分の名前で買って利用することになりますが、親が9ユーロチケットをVVSエリア内で利用する場合、土日祝日は17歳以下の自分の子供に限って3人まで無料で連れて乗れると書かれています。

この特別ルールはVVSエリアから出ると無効なので、犬、自転車、子供等についての9ユーロチケットのルールについては、利用する前に地元の交通機関のウェブサイトなどでしっかりと確認するのがよさそうです。

ローカル線を乗り継げばドイツ国内どこまでも9ユーロ

日本でも青春18切符などありましたが、こちらは1ヶ月まるまる使って9ユーロ。しかも9ユーロチケットが導入されるドイツの6月7月8月は子供達の学校の夏休みが重なります。

今後もまた同じようなチケットが発売されるかは分からないので、もしかしたらこの3ヶ月だけの限定チケットになる可能性もあります。

大学生の学生定期や、子供の定期券の値段もけっこうな額なので、この9ユーロチケットの恩恵を受ける人はたくさんいると思います。平日に子供をふたり連れてローカルのバスや電車に乗ると地元の移動でも1回の往復で10ユーロを超えるのでお得感たっぷり。しかも既に期間中に有効な定期を持っている場合は、その分の払い戻しまでしてもらえるのだとか。

どんな効果があるのでしょうか

この新しい試みには発表当初からすでにいろいろな懸念があって、わたしが読んだオンライン記事では急に決まりすぎたので準備ができるのかとか、夏休みに当たるので路線によっては混雑しすぎるのでは、などが言われていました。

普段は車を使っていて、電車やバスに全く乗り慣れていない人はどのぐらいこのチケットで電車やバスを利用するのでしょうね。わたしたちはよく電車やバスを使いますが、身近な人たちのなかにも移動はすべて車で、電車やバスが分からないから一人で乗りたくないっていう人もいます。

でも新しい取り組みとしては楽しい!大きな混乱が起こらず、安く楽しくバスや電車の利用ができることを祈ってます。

発売は5月23日からの予定(2022年5月16日発表)

DBは、9ユーロチケットの発売は5月23日からの予定であると発表しました。駅などで購入できる他、DBナビゲーターアプリでも購入が可能です。ただし、9ユーロチケット発売には5月20日に連邦議会で可決される必要があるため、あくまでも予定です。詳細はDBのウェブサイトでご確認ください↓

https://www.bahn.de/angebot/regio/9-euro-ticket

発売に現実味が出てきたので、子どもの学校からも定期を使っている家庭は9ユーロチケット情報をフォローしておくようにというメールが届きました。でも議会の承認が5月20日で、6月1日からの運用って、現場の方々は相当大変でしょうね。

DBアプリとDBホームページでチケット購入(2022年6月1日)

自分の9ユーロチケットはアプリで買うのが便利かな、と思って公式アプリのDB Navigatorで最初に購入。いつもと同じ手順で、乗るルートを検索し、旅行者を自分、子供を連れて行く設定から消したら9ユーロチケットが選択できるようになって表示されたのでそこから購入。(この方法では9ユーロチケットが乗車した日を過ぎたらアプリで有効なチケットとして表示されなくなりました。全て表示にしたら出てきますが不便です。おすすめしません!)

子供のチケットもアプリ内購入を試しましたが、支払いの画面で何のメッセージもなく前の画面に戻ってしまう。子供分は、アプリのトップページのリンクからDBのウェブサイトに飛んで購入するしかなく、DB Navigator内では子供の9ユーロチケットは購入出来ませんでした。

そのままスマホでも買えたと思うのですが、パソコンのほうがDBのログインデータも保存してあるから早そうだったのでパソコンからDBのホームページ(ログインしました)、9ユーロチケットの購入→他の人のチケットを購入→子供の名前を入力してふつうに購入。確認画面で大人と表示されたのが修正できませんでしたが、9ユーロチケットは大人も子供も同じ料金なので仕方がないのかなと思ってそのまま購入しました。

「メールでPDFのチケットを送る」というところにチェックを入れておくと、購入してすぐにチケットが添付ファイルとして送られてくるのでそれを印刷して子供に持たせます。自分の携帯を持ち歩いている年齢の子ならPDFデータを転送すば、それを画面で見せるのでも有効だと思います。このタイプのチケットは印刷設定がA4サイズで大きいので小さく印刷したくなりますが、元からの字が小さいので、わたしはそのままのサイズで印刷して折って紐付き財布に。無くしてもまた印刷できるというのはよくびしょ濡れになったり物を無くしたりする子供にはありがたいです。

駅の有人チケットカウンターでは、5月末には9ユーロチケットの購入客で混んで行列が出来て大変なことになったとローカル新聞に書かれていました。スマホやウェブサイトから購入するのは、普段からスマホを使っていてもちょっと心配ですから、買いに行きたい気持ちはよくわかります。子供のチケットはわたしも間違ったらいやだから自販機かカウンターで買おうかと思っていましたが、結局買いに行くのが面倒でウェブサイトでやってみたら、とても簡単でした。

DB NavigatorにDBホームページで買ったチケットを読み込む

9ユーロチケットを買った時、アプリで普通に路線検索して切符を購入のところに出てきた9ユーロチケットを購入したら、その日が過ぎてからは自分の9ユーロチケットが「期限の切れた切符も全て表示」という設定にしないと表示されないという不便なことになってしまいました。

一方、DBのホームページから購入した子供の9ユーロチケットのほうはアプリの”Meine Tickets”からコードと苗字を入力して読み込むと、普通に9ユーロチケットとして今月いっぱい有効と表示されます。自分も同じように買ったほうがよかったです。

↓ “Meine Tickets”はアプリの左上のメニューから選択できます。

そして、右側のプラスマークを押すとチケットのコードと名前の入力画面になります。Auftragsnummerにチケットを購入したときに表示されるコードを、下のNachname des Reisendenにチケット購入の時に書いた名前の苗字のみを入力して、右下のHINZUFÜGENを押すとチケットが読み込まれてQRコードが表示されます。

アプリ以外で買ったチケットをアプリに追加する方法は、他のチケットでも使えるので、一緒に旅行する家族や友達と共有して追加しておくと便利です。PDFで持っていてもいいんですけど、読み込んでおくとホームの変更や遅延情報(当てにならないけど、便利なこともある)なども自分で確認できるようになります。

駅などにある自動券売機で9ユーロチケットを購入したときの注意

ドイツ国内の複数のエリアの自動券売機を調べてみましたが、どこでも普通に9ユーロチケットが購入できます。ただし、券売機で買ったチケットには名前がありません。券売機の9ユーロチケットは名前を記入しないと無効というタイプのチケットですから、購入したら“In Druckbuchstaben: Name, Vorname”のところに名前を記入してから乗車しましょう。

わざわざブロック体でと書かれているので、誰でも読めるような文字で書きます。これはサインではありません。山田花子さんなら、Yamada, Hanakoです。名前を記入した9ユーロチケットに加えて、身分証の携帯もお忘れなく。

遅延の際は条件を満たせば同区間のICEにも乗れるし、終電なら通常の補償も

9ユーロチケットが発売になる前も後も、わたしは基本は遅れるという心構えで電車を利用しています。遅延は日常茶飯事で、予定通りにいけばラッキー。

9ユーロチケットの旅だと遅延の時にもお金返してくれないんだろうなと思っていましたが、遅延が予定の旅程より20分以上になると、通常は使えないICEなどに乗ってもいいようです。ただし、そのまま普通に乗れるわけではなくて、ICEに乗るならICEのチケットを購入しなければ乗れず、遅延を証明すればその代金を返してもらえる、という限りなく面倒そうなシステム。本当に返してもらえるんでしょうか?切符買ってないのにどうやって遅延の証明をすれば?詳細はこちらのBerliner Zeitungの記事をどうぞ。–>https://www.berliner-zeitung.de/wirtschaft-verantwortung/zug-verspaetet-mit-dem-9-euro-ticket-in-den-ice-li.235784(日本語への自動翻訳はGoogle翻訳かDeepLをおすすめします)

通常の切符では、遅延の影響で目的地に着く前に終電がなくなってしまったり、深夜に駅について自宅までの交通手段がなくなってしまったときは、DBでは使ったタクシー代金を返すなどしてくれるらしいです。9ユーロチケットでもそのような補償は受けられる、と上のリンク先の記事に書かれています。

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