ドイツの鉄道は日本で新幹線などを使って長距離移動をするのに比べて安いと思うんですけど、それでもこちらに長期で滞在してICEなどを利用すると高く感じます。
Deutsche Bahn(ドイチェ・バーン)では、年会費を払って電車の切符が毎回割安になるBahnCard(バーン・カード)という有料の会員制度があります。
種類がいくつかあって、サービス内容もよく変更になるのでここで全部を説明するのは無理なんですけど、ドイツに来て間もない方のために、バーンカードのおおまかな仕組みと料金を書いてみます。
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バーン・カードの種類
バーン・カードに加入するときは、いくつか種類があるので必要に応じて自分にいちばんあったカードの種類を選びます。数字の大きさがそのまま切符の割引%になるので、1年分の会費の値段と、自分が電車にのる予定区間の切符や鉄道利用頻度などを計算していちばん得なものに。
わたしは使用頻度からいつもBahnCard50を持っています。2回くらい長距離で移動すると元がとれる感じです。
- BahnCard25 (2等年会費62ユーロ 1等年会費125ユーロ)
- BahnCard50 (2等年会費255ユーロ 1等年会費515ユーロ)
- BahnCard100 (2等年会費4090ユーロ 1等6890ユーロ)
一般的な種類しか書いていません。BahnCardの種類は他にもあるので詳しくはDBのサイトを見てください。
画像を加工して消してありますが、期限、氏名、カード番号などが表に記載されています。
15年以上BahnCard50(2等会員)に加入していますが、基本的に50%の鉄道料金が割引になるという以外にも、会員専用ラウンジの利用とか、一緒に旅行する人の割引適用とか、細かい規約はよく変わりました。
どちらかというと悪いほうに条件が変わってます。BahnCard50を所有していれば一緒に旅行する人も同じように割引適用が受けられた時期も以前にはありました。(今はまたなくなっていると思います。)
規約はよく変わるので、更新時にウェブサイトなどで時々チェックしています。
パートナーカード
結婚していても、結婚していなくても、子供がいてもいなくても、同じ家に住んでいることが書類で証明できる場合は、BahnCatdにはパートナーカードが作れます。
これはBahnCard25(2等年会費41ユーロ)、BahnCard50(2等年会費127ユーロ)、BahnCard100の所有者にそれぞれに認められていますが、BahnCard100の場合は同じカードではなくBahnCard25あるいはBahnCard50が選べるとなってます。
バーンカードの学生割引やシニア割引
大学生としてドイツ滞在している場合は26歳以下ならバーンカード年会費の割引が適用されます。UniversitätやFachhochschuleで学生として登録されている場合は、学籍証明書などを提示すれば割引料金でBahnCardに加入できるので、加入前に調べてみてください。語学学校の加入では無理ですが、昔は日本の大学の学生証から国際学生証(ISIC)を発行してもらって学生割引でBahnCardが作れたという話を聞いたことがあります。DBの窓口で聞いてみてください。
学生の他に60歳以上もシニアとして割引が適用されます。
期間限定特別バーン・カード
BahnCard25では加入者を増やすために普段からよく特別カードを特別な条件と料金で発行しています。たとえば今なら2014年4月40日までに”Probe BahnCard 25 1+4″に加入すれば普通は2等年会費62ユーロが25ユーロ(この金額で3ヶ月間だけ???)。さらに4人まで一緒に旅行する人の運賃も割引適用になります。お試し期間の3ヶ月が過ぎる前、決められた期限内に書面で解約をしないと自動的に1年延長になって年会費を支払うことになります。
この書面で解約というのは新聞などの無料購読なんかでもうっかりわすれて契約させられることになるので、続ける意思がない場合は解約期限に注意ですね。
BahnCard25 1+4は大勢で旅行に行く前とかに加入したら得かもしれません。とにかくあれやこれやのお試しキャンペーンをBahnCard25はよくやっているのを目にします。
子供のJugendBahnCard25
DBでは6歳以下の子供は切符を買う必要はありません。それだけではなく、長距離路線で両親や祖父母といっしょに乗る場合は6歳から14歳までの子供料金が無料※になります。切符を買わなくてもICEなど予約ができる電車の場合は、座席の予約も一人分として確保できます。(子供の座席の予約と鉄道の旅については別途記事に起こす予定です)したがって大人と一緒に電車に乗る場合は子供にBahnCardは必要ありません。
座席の予約は生後すぐの赤ちゃんでも一人分をタダ同然の値段(家族分の座席予約は大人2人子供3人までまとめて9ユーロ。)で予約できますから、家族で鉄道を使って旅行するのに便利です。
※保護者と乗車する場合の切符の規格については、長距離列車以外のローカル路線などでは適用が各社で決められていますから、切符が必要になる場合があります。ご注意ください。
ただし、6歳以上で子供だけで電車に乗る場合、6歳~18歳が10ユーロで加入できるJugendBahnCard25というものがあります。長距離を子供だけで利用する場合は10ユーロ払って25%の割引が受けられるので、1度乗るだけで元が取れます。
公式のBahnCard情報
バーンカードの種類やサービス内容はよく変更されるので、加入を考えている方はネット上の日本語情報を頼らず(この記事も古くなっている可能背があります)に、ドイチェ・バーンのサイトで確認したほうがよいでしょう。
http://www.bahn.de/p/view/bahncard/bahncard.shtml?dbkanal_007=L01_S01_D001_KIN0004_top-navi-bahncard_LZ01
バーン・カードの有効期限の設定
バーン・カードを申請するときは、申し込んだ日以降で、いつから使い始めるかを自分で決めることができます。オンラインではなく窓口で申請する場合は込みますから、余裕をもって早めに行って、旅行の予定に合わせて使い始めの日付を設定するとよいでしょう。
解約手続きは有効期限初日から1年後の日付の6週間前に
バーンカードは自分で更新しなくても、一旦申し込んでしまうと自動更新の設定になっています。一定期間使わないことが分かっていれば、一旦解約して、使う日にあわせて再度申し込みをしたほうがお得な場合も。
解約は、有効になった日の1年後の日付から6週間前までに手続きをすることが条件になっていますので、くれぐれもお気をつけて。(1ヶ月とか、2ヶ月でなく、6週間という解約期限の設定に、ドイチェバーンの悪賢さを感じてしまいます。)
バーンカード、パートナーカードの規格変更 2016年7月追記
しばらく電車を使って長距離移動をする予定がなかったので、半年ほど前にバーンカードの契約を解除していました。夏休みに電車に乗る予定ができたので新しくまた夫婦でカードを作ったのですが、パートナーカードの規約が変わっていました。
以前は解約の手紙を出さなければ自動で延長されたのですが、現在はパートナーカードの期限は1年。その後は引き続き同居していると証明できる書類を見せないと延長できないそうです。離婚や別居が多いドイツならでは、という感じもありますね。
ちなみに期間限定でバーンカード50が43ユーロ引き、というクーポンが郵送されてきていたので、ひとりはそれを使ってメインカードを作り、もうひとりがパートナーカード(127ユーロ)を作りました。
いまのバーンカード50の値段が255ユーロ、2人分で510ユーロのところを339ユーロで登録できました。クーポンはバーンカードを解約したので送られてきたようです。
わたしたち夫婦の場合は、次の旅行が長距離なので1度利用すれば元がとれる計算です。ラッキーでした。