Logopädie(ロゴぺディ)で発音を矯正

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大学の友人が卒業後にLogopädie (ロゴぺディ)の勉強をしている、と聞いたときは全く聞いたことがなかったこの言葉。調べてみると、日本語では言語聴覚療法という訳が出て来ます。

子供が保育園に入る頃になると、この言葉を頻繁に耳にするようになりました。ドイツ語の発音は、小児科の検診や、就学前健診でもチェック項目なのですが、これは外国人の子供やバイリンガルの子供たちだけではなく、ドイツ語が母語の子供でも「問題がある」とされる子は決して珍しくないようです。

程度によって、幼稚園の頃からセラピーに通うようになる子もいるし、様子をみましょう、となる場合もあります。うちの上の子供も3〜4歳では軽く問題ありでしたが、就学前には自然に治りました。

でも、下の子供は様子を見続けても治る気配がなかったので、小学校に上がってからセラピーに通いました。

正しいドイツ語の発音が出来ないのは珍しいことじゃない

問題あり、とされたうちの子の場合は「S」「Z」などの発音の時に舌が歯の間から出ていました。ちょうど英語の「TH」のような感じ。この発音の問題をドイツ語でLispeln (リスペルン)と言います。注意深く聞いてみると、程度の差はありますが、小さい時にこの発音の問題を示す子は多いです。

https://de.wikipedia.org/wiki/Lispeln

前歯が生え揃う頃には勝手に治る、と言って担当の小児科医はセラピーに送りたがらなかったのですが、この子の場合はかなり顕著で、日本語の「さしすせそ」でも明らかに舌が出ていました。密かに気にしていたら案の定、就学して前歯が生え揃っても治らず、むしろひどくなってきたので小児科の検診でひっかかってセラピーを始めることになりました。

子供たちはロゴぺディ大好き

セラピーと言うと、堅苦しい感じがするかもしれませんが、ロゴペディは子供に人気があります。わたしの知る限り、嫌いという子に会ったことがありません。カードや風船など色々な道具を使って遊びながらのセラピーなので、うちの子供はセラピストと遊びに行くと捉えているようでした。

幼稚園か小学校低学年で通う場合は、パパかママと一緒に週に1回通います。習ったことを家で親が一緒にやらせるので、子供だけではダメだそうです。(もっと大きな子はひとりで通っています)セラピストによっては、親は送迎だけで同席しないところもあるとママ友から聞きました。

全国的な傾向なのかは不明ですが、うちの辺りではロゴペディの先生は優しい感じの女性が多く、遊びながら、舌を正しい位置にキープする、舌の動きの練習、発音の練習などをします。普通は1回45分間。グループではなく個人で、小児科から送られた場合は全額保険がカバーします。最初は10回。それで治らなければ延長されますがそれも保険が効きます。

以前に、「ドイツ語がうまく発音出来ないから」子供がロゴペディに行かされる、と嘆いていた日本人のお母さんがいました。ドイツ語の発音が悪いから行くといえば、確かにそれはそうなんですけど、保険カバーなので無料で通えるし、子供は楽しいし、発音はプロが矯正してくれるので、むしろ子供にとっては良いことだとわたしは思います。

Lispelnが理由でロゴペディに通う子がまわりでは多いですが、それ以外の発音の問題を抱える子もいます。舌の筋力が弱い、飲み込むのが苦手、舌や唇の動きに問題があるなど要因は多く、出てくる発音の問題もその子によって色々だそうで、かなり長期間になるケースもあるとうちの子のセラピストは言っていました。

ロゴペディのセラピーでは思い切り舌を出したり、舌で変わった動きをしてみたり、舌で音を出したり、普段ならお行儀が悪いと叱られるようなことを大人とやるのも子供は楽しいみたい

小さい子にはよく見られますが、ある程度大きくなってもいつも口をポカンと開けている、舌が出ていることが多いなども発音の問題と関連があるということでした。また、いつも舌が出ている子は、上唇の筋肉の発達が弱くなり、結果として上唇がやや短く縮んで外側にめくれたようになるのだそうです。

最初のカウンセリングの時に集中して遊んでいるときの口がどうなっているかを聞かれてすぐには思いつきませんでしたが、確かによく口が少し開いた状態になっていることに気がつきました。自分の舌のポジションが正しいかとか、子供の口の状態とか舌の動きとか、普通は意識しませんよね。

親の協力と本人のモチベーション

ロゴペディに通っている間は、宿題があって、家でも練習をしないといけません。貸してもらったカードゲームのように自分から子供がやりたがる宿題もあれば、発音に気をつけた場面を表に記入する、などあまりテンションが上がらない宿題もあります。週1で子供のセラピーに付き合うのも、他の子供の予定や自分の仕事があるとだんだん負担に感じてしまいます。

うちの子の場合は、舌自体の形や機能に問題があるわけではなく、間違った発音が習慣化してしまっているケースです。セラピーで集中している時には正しい発音ができているので、後はもう本人がやめたいと思ってくれないとどうしようもありません。

最初のセラピーで、この発音の問題は大人でもそのまま持っている人もいて、本人が気にしないなら別にそれはそれで構わない、でもいま直せるならば一緒にやってみようねと言われたので、子供本人は自分の発音は気にしていないしまあいっか、と思ってしまった節はあります。

セラピーの効果とこれから

結論から言えば、10回セラピーに通って、リスペルンは治りませんでした。夢中で何かを説明すると相変わらずひどい。先生は延長するように小児科医に処方箋出してもらいましょうかと聞いてくれたけど、今は子供本人が自分の発音を特に気にしていないので、「このまま続けても意味がないと思います」と言って断りました。

自分で何かを説明したくて夢中になって話しているときに、発音気をつけて!というのは話すことに対して苦手意識を植え付けてしまいそうで、なかなか難しいです。最初から時間を区切って、食事の間は気をつけてみようね、とか約束してあるといいんですけど。でもセラピー後は気をつけて入ればまあ完璧ではないにしてもそれなりに発音できます。

友達の話では、1年半通ったとかもザラなので、正直ちょっとこのままズルズルと通い続けたくないと思っていました。セラピストはこのまま続けたいみたいでしたが、うちの子の場合は本人に直したいという気がないのが問題です。

いままでのセラピーで習ったことを意識しながら様子を見て、子供がもっと大きくなって「直したいけどできない」となったときにはまたお世話になると思います。どうなるでしょうね。

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