最近は流行のドラマにまったく興味がないので、名前を聞いたことがある程度だった「イカゲーム」。このシリーズを子供に絶対に見せないでくださいというお願いメールがドイツの小学校(現地校)から送られてきました。
この現象はうちの子供の小学校だけでなく、ドイツの各地で9月頃から問題になっているそうです。これは今日11月14日付の地元新聞の記事のDeepL自動翻訳です。
シュトゥットガルトの青少年福祉局は、このシリーズが「9月にはすでにすべての小学校で明らかな現象となっていた」ことを知っています。保育園の先生も、子どもたちが「イカゲーム」を知っていると報告してくれます。フライブルクでは、治療教育を行う放課後センターの子供たちが、このシリーズを演じました。保護者に情報レターを送る学校もあります。”イカゲームは子供向けのゲームではありません!”と国立コミュニケーション研究所が警告しています。教育省は、保護者が情報を得られるLMZやKindermedienlandという取り組みを紹介しています。”シリーズ「イカゲーム」にまつわる懸念に似た現象は常に存在します “と広報担当者は語る。そのため、メディア教育はカリキュラムに不可欠な要素となっています。(DeepLによる自動翻訳)
https://www.stuttgarter-nachrichten.de/inhalt.squid-game-in-baden-wuerttemberg-eltern-und-paedagogen-suchen-zunehmend-hilfe.83d004c5-6e5b-4884-9832-b595a21cc7da.html
16歳以上が視聴対象の作品なので、本来は小学生や幼稚園の子供が見ていいものではないはずなのに、保育園の子供まで知っているというのに驚きます。
自分が作品自体を視聴したわけではなく、トレーラーを見ただけなのですが、誰でも知っているような「子供の遊び」とそれに負けた者への過剰な暴力が、明らかに子供に良くない印象です。「そこだけを見て作品を語るな」と好きな人には言われそうですが、実際に子供への悪影響で問題になるのはそういう部分です。
ネットで調べると、ドイツ以外でも「イカゲーム」を真似する子供たちの行動が問題化して報道されていました。
自分の知り合いの中での個人的な印象ですが、日本人の親御さんの中には子供の視聴番組の年齢制限をあまり気にしていないことがあります。タブレットやスマホの利用にも制限がかけられていない子もけっこういます。
ドイツの小学校から今回のように特定の番組に対して視聴禁止のお願いが来たのはわたしが知っているこの10年ほどで初めてです。つまりそれだけ子供に悪影響が深刻だと認識さられているということです。
もし、お子さんが実際に「イカゲーム」を視聴していて子供同士の遊びで真似をしていたりしたら、ドイツの学校で大問題になる可能性があります。担任の先生からの手紙とか面談どころではすまないかもしれませんし、何より他の子供の親たちに嫌がられることは必至です。くれぐれもお気をつけて。
FSKという文字と数字が書かれたゲームやDVD
ドイツ で売られているDVDやゲームソフトには、ディスクケースの左下にある黄色や緑の四角いマークの中に6や12などの数字が書かれています。子供がいなくても映画のDVDやブルーレイディスクで目にすることが多いと思います。
これはFSKという団体が、映画やゲームを審査して設定している年齢制限で、うちは子供が遊んでいるニンテンドースイッチのゲームのソフトにもついています。書いてある数字以上の年齢で視聴制限あるいはプレー制限なしという意味です。
ドイツでは子供に与えるゲームソフトや見せる映画でこの年齢制限は親たちからそれなりに尊重されています。
「イカゲーム」はFSKの審査を受けていない
ネットでは、年齢制限が16歳以上だと言われている問題の「イカゲーム」。この年齢制限はFSKの審査によるものではなく、ネットフリックスが独自に設定したものだとFSKが2021年11月3日付でアナウンスしています。
https://www.fsk.de/?seitid=3040&tid=188
年齢制限がどこの団体から設定されているにしても、年齢制限は幼児や青少年の保護のためにあるものです。実際には6歳以上推奨の映画を兄弟と混じって小さな幼児が見たりするケースはわりとあるかもしれませんが、12歳や16歳ぐらいの年齢制限がかかった作品になってくると、性的な表現や暴力シーンなどが含まれてくるので、視聴制限に設定されているより幼い子供に見せるには深刻度が増すと思います。
ドイツ在住だけど日本人だから気にしないというのは、現地校やスポーツなどで現地の子供たちと交流がある場合は問題になるかもしれません。
追記
・韓国報道では「イカゲーム」の視聴年齢制限が18歳以上と報道されています。https://japanese.joins.com/JArticle/283728?servcode=A00§code=A00
・ドイツの現地校から、子供の利用する各種機器に保護設定をするためにと紹介されたドイツ語サイトです。https://www.medien-kindersicher.de/startseite